クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

科学・研究

バッタに憑かれた男との出会い

写真: 前野ウルド浩太郎博士 バッタに憑かれた男こと、バッタ博士の前野ウルド浩太郎氏がメレ山メレ子氏主催の昆虫大学に出演するらしい。 11/17(土)・18(日)神田の旧電機大校舎にて、虫の魅力をプロに学ぶイベント「昆虫大学」開講します!: メレンゲが…

iPS細胞のゆるキャラ「アイピーエスさいぼう君」

iPS細胞の作製で2012年のノーベル生理学医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が、自身が所長を務める京大iPS細胞研究所の研究費不足をうったえている。 「研究スタッフをきちんと雇うには、マラソンを1年間に80回走らないといけない。人に優しい研究予…

研究者に一番必要なもの

いいかい、自国以外で研究者として生き残るのは本当に困難だ。最後までサバイバルする研究者に一番必要なものは何かわかるかい? 頭脳じゃない、そのクラスの研究者の頭脳はみんな同じくらい高いからね。 一番大切な事は、研究への情熱、一途の献身、毎日今…

悪魔を召還し、嫌がる相手を無理矢理犯す男

早いものでもう10月、すっかり秋に入りましたね。 秋といえば恋愛の季節。ということで、今回は男女間のラブにまつわるお話です。 ・男女のかけひき 「彼氏が遊び人で、浮気ばかりして困る」 こんな話は教室でも職場でもワイドショーでもよく聞く話です。最…

ヤマトシジミの奇形は原発の影響によるものなのか

原発や放射線関連の話題をブログで触れると面倒なことになるのでこの記事はメルマガに書こうと思ったが、社会的な意義を考えてやっぱりブログに書くことにした。 先日、琉球大学のグループにより、福島第一原子力発電所から飛散した放射性物質の影響によりヤ…

キュリオシティと火星生命探査の今後

キュリオシティ(Image credit: NASA) 2012年8月6日、火星探査機キュリオシティが火星に無事着陸しました。管制室で歓喜に沸くNASAの人々の姿がフィーチャーされ、キュリオシティのアクロバティックな火星着陸に人々が熱狂しました。 しかし、キュリオシテ…

EM菌こそ宇宙最強のエイリアンである

クマムシも納豆菌も驚愕の、トンデモない論文が大阪日日新聞に掲載されていた。 大阪ヒト元気録:大阪日日新聞 論文中では、EMボカシネットワークという研究組織がEM(Effective Microorganisms)を使用し、その有用性を示している。 そのEM菌の、恐るべき効能…

「やりたいことしかやりたくない」がいいね

サイエンスライター森山和道さんの科学ジャーナリズム論が、深い。 「問い続けることの面白さ」を見出す: moriyama.com ネットが普及して誰でもこのように世間に向けて気軽に情報発信ができるため、専門家と一般市民を仲介するジャーナリストを経由せずに、…

意識の高い理系大学院生の特徴

最近、意識の高い学生が流行っています。 「意識の高い学生」の特徴のまとめ。: fromdusktildawnの雑記帳「意識が高い学生」でいいじゃないか: ihayato.news そこで、ここでは私の周囲にいる意識の高い理系大学院生の特徴を30項目列挙してみました。 理系大…

研究者のための出会い系サイト

Science ConnectionScientific Singles さすが恋愛先進国のアメリカ、研究者に特化したこんなニッチな出会い系サイトまであるんですね。 Science Connectionのサイトの説明が、こんな風に書かれています。 ・・・・・・ このサイトの存在意義 この世界は混み…

学会を出会いの場にしてはどうだろうか

大阪大学の近藤滋教授が2013年度の分子生物学会の大会長を務められるそうで、ご自身のウェブサイトで大会でのイベント案を募集していた。 学会なんかいらないっ??!: パターン形成研究室のホームページ(近藤滋研究室) 若手研究者や大学院生が多く集うこ…

クマムシ金環日食

むしマガ読者のゆんさんが撮影した、日食の写真。 なぜか太陽の形がクマムシの形になっています。 太陽にはクマムシが棲んでいるのかもしれません。

納豆菌が炎上マーケティングか

こんな記事のリンクが、Twitter上に出回っていた。 人生は、美味しいスクランブルエッグwith納豆人生の連続 「粘り強く、より良く発酵し続けながら、身もココロも喜ぶスクランブルエッグ&納豆(時々青汁)人生を、美味しく楽しみながら送ります。」 このブ…

クマムシ、卵でも極限環境に強いことが判明する。

ヨコヅナクマムシの卵. 乾眠状態(左)と通常の水和状態(右) 写真撮影: 堀川大樹, 行弘文子, 田中大介 みなさんこんにちは、堀川です。今回はちょっとプレスリリースっぽい記事を書きます。 このたび、私たちによって明らかにされた、ヨコヅナクマムシの卵にお…

ヒ素細菌のDNAにはヒ素がなかったーライバル研究者らが発表

今週からアメリカのアトランタで行われている、NASA主催の宇宙生物科学会議(Astrobiology Science Conference)に出席しています。本日、会場では「ヒ素細菌のDNAにはヒ素がなかった」とする研究発表がありました。 2010年末にNASAのWolf-Simon博士らが大々的…

もう一度言う。みんな納豆菌を甘く見ない方がいい。

・納豆菌の恐怖 納豆菌の正体は、地球の支配を目論むエイリアンである。以前、この衝撃的な事実を本ブログにて報告した。 納豆菌は枯草菌という細菌のグループで、学名はバチルス・サブチリス・ナットー(Bacillus subtilis var. natto)といい、芽胞とよばれ…

NASAで働くための方法

本エントリは4月創刊のクマムシメールマガジン「むしマガ」創刊前第0号に掲載されたコンテンツを転載したものです。 ☆ NASAで働きたい 米航空宇宙局、NASA。言わずと知れた世界最大規模の宇宙開発機関です。2012年の年間予算は177億ドルで、日本円にして1.4…

もう一度言おう。日本のアカデミアの将来はきっと明るい。

前回の記事には予想外に多くの反応がありました。それだけ多くの人々が、アカデミアの行く末を案じているからでしょう。 私の記事内容に賛同する人も多かった一方で、アカデミアの将来は明るくないのではないか、と危惧する意見もありました。 日本のアカデ…

日本のアカデミアの将来はきっと明るい

博士は就職するのが大変だ、という話はアカデミアの外にいる人も良く耳にするほど、博士号取得者の就職難は常識として認知されるようになってきました。これは、政府による大学院重点化によって大量の博士が生み出され、大学や研究機関の限られた専任ポスト…

クモの糸をはくカイコ

みんなクモの糸を甘く見ない方がいい。クモの糸は、カイコの絹糸よりも強くてしなやかなのだ。クモの糸を束ねれば、体重65kgの大学教授だってぶら下がることができる。そのポテンシャルの高さから、幅広い用途への応用が期待されている。ところが、クモは縄…

むしブロ+の過去記事ベスト5

ブログを書くようになっておよそ1年、更新頻度は低いものの最近は以前に比べて多くの方に訪れていただくようになりました。みなさんどうも有り難うございます。ブログを開設したときはアメリカにおり、あまり何も考えずにスタートさせたものの最初の半年間は…

クマムシトリビア総集編

ヨコヅナクマムシの電子顕微鏡写真(撮影:堀川大樹 行弘文子) こんにちは、クマムシ研究者の堀川です。私はたまにTwitter(@horikawad)でクマムシトリビアをつぶやいているのですが、今回は新たに書き下ろしたトリビアも加え、総集編という形でお贈りしたいと…

ハダカデバネズミのキモカワイオンチャネル

Image from Wikimedia前回に引き続きハダカデバネズミの登場です。以下、前回のコピペ。キモカワほ乳類ランキング (むしブロ研究財団調査)で6年連続1位に輝いているハダカデバネズミ(裸出歯鼠)。写真でお分かりのように毛が無くてしわしわの皮膚に、にょっき…

ハダカデバネズミのキモカワ精子

Image from Wikimedia キモカワほ乳類ランキング (むしブロ研究財団調査)で6年連続1位に輝いているハダカデバネズミ(裸出歯鼠)。写真でお分かりのように毛が無くてしわしわの皮膚に、にょっきり飛び出した前歯の外見が非常にユニークでキュートです。変わっ…

コウモリを大量死させる「白い鼻病」

近年、コウモリの大量死が北アメリカでか起きています。「白い鼻病」にかかるのが原因だと考えられています。この白い鼻病はその名のの通り、鼻の周りが白くなるのが特徴です。 Image from Wikimedia この白い部分はGeomyces destructansというカビが増殖し…

日本に大量増殖したミュータント人間とその原因

ここ近年、あるミュータント(変異型)人間が日本で増殖している。このミュータントには、以下のような特徴がある。 1. 主に大都市で活動する。 2. とくに1月から4月にかけて活発に活動する。 3. 紺系の色を好む。 4. 従順である。 5. 前屈運動能力に長けてい…

人類絶滅を回避するために宇宙へ飛んだミニ人間

Image from Wikimedia 地球から他の惑星への移住は、人類絶滅を防ぐための大切な手段だ。もし来年、巨大隕石が地球に衝突したら? もし次の氷河期が、めちゃくちゃ辛かったら?ネアンデルタール人のように、我々も絶滅してしまうかもしれないし、そう考える…

人体一速い細胞は誰だ?!60兆分の1を決める戦い!

コロラドのデンバーで開かれているアメリカ細胞生物学会にて、世界初となる細胞レースが開催されました。 World's first cell race no small affair - Updated - December 03, 2011 70種類の系統の細胞たち*1が、ペトリ皿の上で競走している様子が以下の動画…

超危険ウィルスはどのようにして作られたか

Image from Wikimedia オランダ・エラスムス医学研究センターのRon Fouchier博士が、人に感染する恐れのある超危険ウィルスを作成したと話題になっています。このウィルスに感染すると、かなり高い確率で死に至ると予想されています。 Scientists Brace for …

バッタ博士の前野氏に関する前回記事のお詫び

前回の記事で、バッタ博士の前野氏のことを取り上げました。そしてその後、ご本人から、この記事が一部事実と異なるという指摘をいただいた。 逆襲のハカセ: 砂漠のリアルムシキング ご指摘によると、「サバクバッタは人を食べない」こと、「前野氏が食べら…