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むしブロ

クマムシ博士のドライ日記

【満員御礼】クマムシワークショップ開催のお知らせ

クマムシ お知らせ クマムシ研究所

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※追記:本ワークショップは満員になりました。


アメリカを中心に広がるDIYバイオのムーブメントですが、ついに日本でも本格的にこの動きが出てきました。2016年に株式会社ロフトワークが中心となり、「BioClub」というDIYバイオのコミュニティが発足。渋谷にある同社が運営する「FabCafeMTRL」の一角にオープンバイオラボスペースができるそうです。


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Image credit: BioClub


そしてこのたび、幸運な巡り合わせでBioClubとクマムシ研究所がコラボをすることになりました。6月、7月、8月の各月1日ずつの合計3日間、クマムシのワークショップを開催します。1日目にクマムシの採集と観察、2日目にクマムシの飼育、3日目に個人の自由研究を予定しています。詳細は以下のとおり。

BioClub クマムシ研究会 〜世界最強生物と一緒に最強バイオを身につけよう〜


プログラム(※内容は変更になる場合があります。)


第一回(6月26日(日)):クマムシの採取
1. 実験器具の基本操作を学ぶ
2. クマムシの基本情報を学ぶ


第二回(7月24日(日)):クマムシの飼育
1. 培地の作り方を学ぶ
2. クマムシの生態について学ぶ


第三回(8月28日(日)):クマムシを用いた自由研究
1. 自分でテーマを決める
2. 自分で実験を行う
3. 実験結果を分析・発表する


日時:6月26日(日)、7月24日(日)、8月28日(日)毎回10:00〜18:00
定員:12名
参加費:3日間で5500円(クマムシ研究所メンバーとむしマガ購読者は特別価格)
会場:FabCafe MTRL 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目22−7 道玄坂ピア2F


参加希望の方はBioClubのFBイベントページから参加登録してください。


クマムシの飼育が学べるワークショップは世界でも珍しい希少な機会。今後、BioClubで継続的に研究を進めることが可能になれば、専門家を出し抜くような研究成果が得られる可能性もあります。ぜひお越しください。


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『クマムシ研究日誌』、重版出来御礼。

お知らせ 書評 クマムシ

クマムシ研究日誌: 地上最強生物に恋して


重版出来!(1) (ビッグコミックス)


ちょうど1年前に出版した『クマムシ研究日誌』(東海大学出版会)が重版されることになりました。『クマムシ博士の「最強生物」学講座」』(新潮社)に続き、これで単著は2作連続での重版。出版社や書店のみなさま、そして何よりも拙著をお買い上げいただいた方々に厚く御礼申し上げます。


本書の感想を書いていただいた方々にも感謝申し上げます。ここでその一部を紹介させていただきます。

研究対象に注ぐ〈無償の大きな愛〉に圧倒される。
読売新聞

いったい何回クマムシという単語が出てきているのだろうか。彼のクマムシに対する愛はとめどなく溢れてはこぼれ落ち、この本に散りばめられている。
バッタ博士 前野ウルド浩太郎 
砂漠のリアルムシキング

本書から伺える堀川氏の一連の考え方や行動力は、まさに起業家精神(アントレプレナーシップ)に基づいている。
academist代表 柴藤 亮介 
HONZ


柴藤さんと内藤さんとの対談もHONZで掲載されました。

honz.jp

今は作家とかミュージシャンも昔に比べると食えなくなって、イベントをこまめにやったりネットでうまくセルフプロデュースしたりしないとやっていけないとか言ったりするけれど、研究者もそういうものになっていくんじゃないだろうか。
pha
phaの日記


phaさんとも対談させていただきました。

www.gentosha.jp

同じ研究者という生き物として、さまざまな試練にさらされながらも研究を続けようと苦闘する氏の姿に親近感を覚えた
3710920269

甘ちゃんの研究者がだんだん鍛えられてプロになっていく過程はなかなか読ませる。
shorebird 進化心理学中心の書評など

調査対象の飼育システムを確立し、それを研究するだけのサンプル数を稼ぐことができるようにするまでのプロセスがすさまじい。
めもちょう タイの森から石川県へやってきた研究者の生活

研究者だから,つまらない文章だろうと思ったらとんでもない。

よぴきちさん(読書日記)


プチ文壇バー「月に吠える」のWebでも本書についてのインタビューをしてもらいました。


magazine.moonbark.net


Twitterでも多くの感想を寄せていただいています。



『クマムシ研究日誌』をはじめとした東海大学出版会の『フィールドの生物学シリーズ』は大型書店に置いてあるので、実際に手に取ってから購入を検討されたい方は、そのあたりを回っていただければと。以下の書店に置いてあることは確認済みです。


八重洲ブックセンター本店
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丸善丸の内本店
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丸善&ジュンク堂書店渋谷店
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ジュンク堂藤沢店
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丸善多摩センター店
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啓文堂書店 狛江店(実家のある狛江の書店さんに置いてもらいました)
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最後に、ソーシャル校正のよびかけに快くご参加いただいたみなさまに特別の御礼を申し上げます。どうも有り難うございました。


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クマムシ博士からスーちゃんへ

クマムシ

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トゲクマムシの一種(撮影:クマムシ博士)


30年以上も凍っていたクマムシが復活したって聞いたよ。クマムシってすごい生命力を持つ不死身の生き物なんでしょう。ムシってついているけど昆虫じゃないの?どんな生物なのかな。 
スーちゃん


2016年5月14日の日本経済新聞の朝刊、NIKKEIプラス1にクマムシが紹介されました。掲載されたのは『親子スクール理科学』というコーナー。小学5年生の女の子「スーちゃん」によるクマムシについての質問に対し、物知りな「森羅万象(しんら・まんぞう)博士」がクマムシの生態や耐性、そして採集の方法を説明しています。


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2016年5月14日付け日本経済新聞朝刊『NIKKEIプラス1』より


先日、森羅博士から頼まれ、クマムシ博士が取材協力をしました。今回のようにクマムシを大きく取り上げてもらうのは、クマムシ研究者の一人として、とても嬉しいことです。


ただ、今回、森羅博士からスーちゃんへの説明について、クマムシ博士から補足させてもらいたいところがありました。以下、私からスーちゃんにコメントしたいと思います。


★★★★★


スーちゃん、クマムシについて興味を持ってくれてありがとう。森羅博士がクマムシのことをていねいに教えてくれてよかったね。クマムシ博士からもいくつかお話があるから、聞いてくれるかな。

クマムシは「緩歩動物」といって、ミミズやゴカイの仲間と昆虫の間に位置する生物と考えられている。 
森羅万象博士


森羅博士は「クマムシがミミズやゴカイの仲間と昆虫の間に位置する」って教えてくれたよね。クマムシは緩歩動物門、ミミズやゴカイの仲間は環形動物門というグループに入るんだ。昆虫は節足動物門の中で昆虫綱というグループの総称になる。「門」が都道府県だとしたら、「綱」は市町村のような位置づけ。だから、ここでクマムシの位置についての説明は、門のレベルで比べた方が、より適切なんだ。


それから実際のところ、緩歩動物門は節足動物門に近いのは間違いなさそうだけれど、環形動物門とはそこまで近くないことがわかっているよ。環形動物門よりもむしろ、有爪動物門(カギムシ)や線形動物門(センチュウ)に近いとされている。緩歩動物門、節足動物門、有爪動物門、線形動物門の位置関係については、まだ研究者の間で議論が続いている。とてもホットな研究トピックなんだよ。

30年以上冷凍されていても、からからに干からびた状態で9年間放っておいても、水をかけると復活して動き出した。(中略)ある博物館に保管されていた130年前のコケに水をかけると、ひからびたたる状のクマムシがもとに戻ったそうだ。(中略)たるの状態だと、セ氏150度くらいの熱にも、マイナス273度というもうれつな寒さにも耐えられる。  
森羅万象博士


森羅博士が言うように、クマムシはからからに干からびた乾眠状態だと、長い間生きのびたり、とてつもない暑さや寒さにも耐えることができる。



ヨコヅナクマムシの乾眠移行と復活(撮影:クマムシ博士)


でも、たとえ乾眠状態ではない水を含んだ状態でも、クマムシは凍結に耐えることができるんだよ。南極で凍ったまま保管されていたコケから復活したクマムシは、おそらく乾眠状態ではなく、水を含んだまま凍った状態で30年間生きのびたと考えられる。これについて森羅博士は間違ったことを言っているわけじゃないけれど、誤解しやすいから、念のための補足。


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あと、120年間(130年ではなく120年)保管されていたコケから乾眠のクマムシが復活した、という話がある。でもこれは、元の文献に書いてある記述に尾ひれがついて広がった噂話で、実際には「クマムシが復活した」という話ではないんだよ。もっとも、超低温下で保管すれば、120年どころか半永久的に生き延びられるかもしれないけれどね。


乾眠状態のクマムシが151度まで耐えられるという話も、1920年代の文献が元になっている。でもその後、この温度にクマムシが耐えられたという報告はない。現在では、クマムシが耐えられる温度の上限は100度くらいまで、というのが僕たち専門家の間で一致している意見。ただ、何かの条件を変えることで、クマムシがもっと高い温度で耐えられるようになるかもしれないけれどね。


クマムシ博士からのコメントは、これでおしまい。森羅博士が勘違いしていた部分もあるけれど、けっして博士を責めないでね。ふつう、研究者は、自分の専門とは別の分野についてはあまり詳しくないんだ。森羅博士は化学の研究者みたいだけれど、ここまでクマムシについて知っていることが、むしろ驚きだよ。


え?今回の記事を配信する前に、森羅博士からクマムシ博士に原稿を送っていれば、校正することができたと思うって?するどいね。うん、きっと、森羅博士はそのつもりでいたと思う。でも、とっても忙しくて、きっと原稿を送るのを忘れちゃったんだ。文献調査と実験を同時進行でこなしている姿からも、博士が日々の研究に忙殺されていることが容易に読み取れるからね。


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また何かクマムシのことで質問があったら、聞いてね。科学者になる夢、応援しているよ。


【参考書籍】

クマムシ研究日誌:堀川大樹 著


クマムシ博士の「最強生物」学講座:堀川大樹 著)


クマムシ?!―小さな怪物:鈴木忠 著


クマムシを飼うには―博物学から始めるクマムシ研究:鈴木忠 森山和道 著


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