クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

社会

蓮舫氏の二重国籍問題と国籍法

※写真は本記事の内容とは関係ありません 民進党の蓮舫氏が保持している国籍状況が話題になっている。クマムシとは関係ないが、重国籍に関する備忘録として、本件について記そうと思う。 ・重国籍になる可能性 父母が日本人と外国人の組み合わせをもつ子ども…

【書評】松尾芭蕉マニアもいる?!等身大の北朝鮮がみえてくる『実録・北の三叉路』

実録・北の三叉路:安宿 緑 著 本書は北朝鮮系の人々を描いたノンフィクションである。北朝鮮、といっても、日頃の報道番組が扱うような、政治的な話にフォーカスしたものではない。スポットライトが当てられているのは、北朝鮮に暮らしていたり、北朝鮮にル…

英語教師に英語力は必要か

日本人は英語の話題が好きだ。どの媒体でもかならず、英語に関する話題を頻繁に目にする。個人的には英語についての議論はあまり興味がないのでスルーするのだが、さきほど目にしたこの記事に書かれていた教師の英語力について、少しだけ気になった。 toiann…

【書評】『持たない幸福論』現代の教祖の有り難い説法

個人的に大好きなニート界のカリスマことphaさんの新著が出た。 持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない 私はだいぶ前からphaさんが好きで、彼のブログもたびたびチェックしているのですが、今回の本はphaさんの哲学の集大成という…

ベジタリアン・チーズに見る、バイオテクノロジーが道徳心を刺激する時代の幕開け。

Photos courtesy of Biocurious バイオテクノロジーが医療や食料生産に応用されるようになって久しい。遺伝子操作により、ヒトのホルモンを効率よく分泌する大腸菌が作られ、害虫に負けない農作物などが作られてきた。ただ、「人工」や「遺伝子組換」という…

学校と学び

むしマガVol.281でオンライン・サイバー高校のことについて書きました。自分が中学生や高校生の頃にこんなところがあったらよかった。なぜそう思ったかというと、自分の通っていた中学や高校が好きでなかったからなんですね。 私が通っていたのは、T学園とい…

テクノロジー・リテラシーを意識しよう

私たちは、テクノロジーの発展により大きな恩恵を受けてきた。電気、自動車、医療、インターネット。これらのテクノロジーが存在しない世界など、とても想像できないだろう。私たちは自分の生活が少しでも便利なものを自然と選択し、その継続的な使用を無意…

「博士メガネ男子論」にみる不器用理系男子の需要

マスコミの報道の中で小保方晴子さんが「リケジョ」と称されていることについて、議論が起きている。確かに、同様の報道の中で男性研究者が「リケダン」と呼ばれないことを考えると、ジェンダーを前に出した呼び方は適当でない。研究所のグループリーダに用…

世界に蔓延する偽装魚と食の未来

昨今、日本における食品の偽装問題が取り沙汰されているが、アメリカやヨーロッパでも事情は同様である。記憶に新しいのは牛肉のミンチに馬の肉が使用されていた問題だ。いずれも、より安い品物を求める消費者により、業者間のコスト削減競争が激化している…

パリでもやしもん

朝、ラボに来たらホワイトボードにこれが描かれていた。 今いるラボは皆微生物屋だが、フランスでもこの業界ではもやしもんが人気のようだ。 【関連記事】フランス人の生産性の高め方 【お知らせ】このブログが本になりましたクマムシ博士の「最強生物」学講…

ハロウィンとアメリカ

アメリカではハロウィンは一大イベントであり、いい年をした大人でも、仮装のクオリティーを仲間内で競い合うほど熱がこもる。私がいたNASAの職場でも皆、仮装をして出勤していた(写真)。 そんな老若男女が夢中になるイベントだが、オハイオ大学の学生グル…

今後、帰国するべきかどうか。

東北大の教授の炎上騒動について、個人を攻撃するクレーマーや、クレーマーを煽動するまとめサイトが社会悪であるという見解を、先日のブログに掲載した。 クレーマーとまとめサイトにより社会が毀損される この問題に関心のある人も多かったようで、昨日だ…

クレーマーとまとめサイトにより社会が毀損される

東北大の教授のtwitterでの発言が炎上騒ぎになっている。 東北大、教員のTwitterでの「不適切発言」を謝罪 この教授が野球観戦をしながら、自分が応援するチームの敵とその地元を咎める発言をしたことが問題になっているようだ。発言直後から、この教授のtwi…

知的労働者が書籍を出版する方法

おかげさまで拙著「クマムシ博士の「最強生物」学講座」が好評につき、早くも増刷が決定。ご購入いただいた皆さまに感謝。 クマムシ博士の「最強生物」学講座ー私が愛した生きものたちー 日本滞在中に都内の書店を散策していたが、ほとんどの大型書店で本著…

堀江貴文氏に学ぶ研究者としての生き方

6月23日の日曜日、堀江貴文さんが私のいるフランス・パリ第5大学の研究室まで、クマムシを見に遊びにきてくれた(クマムシの説明についてはこちら)。 堀江さんとはニュースサイトのハフィントンポスト関係者の懇親会の時にお会いしたのがきっかけで、今回の…

納豆フォトコンテスト結果発表

先週告知した納豆フォトコンテストですが、たくさんの納豆フォトを応募いただきました。みなさま、ご協力どうも有り難うございました。 むしブロ+納豆フォトコンテスト審査委員会による厳正な審査を行いましたので、その審査結果をここで発表させていただき…

納豆フォトコンテストを開催します

納豆フォトコンテストを開催します。 【応募方法】個人で撮影した納豆の写真をどこかにアップロードして、この記事のコメント欄にリンクしてください。応募の中からベストの納豆写真を、現在執筆中の本に掲載させていただければと思います。もちろん、撮影者…

アルファブロガーのメレ子さんにメレンゲが腐るほど語ってもらいました

私が発行しているオンラインジャーナル「むしマガ」の特集として、人気ブログ「メレンゲが腐るほど恋したい」を運営するアルファブロガー・メレ山メレ子さんのインタビューを本日から掲載する。4時間弱に及ぶインタビューからは、こちらも勉強になるような気…

21世紀は昆虫食の世紀になるかもしれない

2013年5月13日、国連食糧農業機関(FAO)は人類に昆虫を食すことを促す内容を記したレポートを発表した。 虫は未来の食糧源、国連FAOが報告書: AFPBB News 昆虫は栄養価が高い上に飼育による増殖効率がよく、食料として非常に高いポテンシャルを備えている。そ…

ハフィントン・ポストにブロガーとして参加します

巷で話題のニュースメディア「ハフィントン・ポスト日本版」が先週スタートしました。 ハフィントン・ポスト・ジャパン 創始者のアリアナ・ハフィントン氏がリベラル寄りということもあって、ハフィントン・ポストにもそのような政治色が出ています。日本版…

地上最強の動物クマムシと人類

体長1ミリメートルにも満たない小さな体に4対の肢をもち、宇宙空間に放り出されても生存できる生きもの。それが私の研究対象、クマムシである。 ヨコヅナクマムシ (写真: 堀川大樹・行弘文子) クマムシは緩歩動物とよばれる分類体系上のグループに属しており…

ニート転身で豊かな人生を

現在、私は研究活動を生業としているが、これ以上に自分に充実感を与えてくれるアクティビティはないと思っている。何か発見をすれば、それがどんなに小さなものであっても人類の歴史で誰も見たことのない現象であれば、プライスレスの知的興奮を味わうこと…

オタクと変態はモテる

オタクや変態がモテるためには、自らの歪んだ性癖を隠さずに誇りをもってアピールするべきだ。 オタクや変態だからモテないと思い込むのは、大きな間違いである。確かに、オタクや変態は異性からいぶかしげな眼で見られがちだ。嫌われることもある。だから、…

研究者が自立して研究活動を続ける方法

本日の朝日新聞朝刊で、私の活動が紹介されました。それも、尊敬してやまないバッタ博士と同じコーナーで。光栄な限りだ。 堀川大樹さん「最強」のクマムシを「ゆるキャラ」に仕立てた: 朝日新聞 研究者がキャラクターグッズの販売や有料メルマガの発行を行…

キャラクターのゆくえ

クマムシさんがtwitterで活動を始めてから、もうすぐ1年になります。クマムシさんをデザインしたのは2011年2月で、その後すぐに商標登録をすませました。現在、twitterのフォロワーも1万人を超え、ニュースサイトや雑誌にもちょこちょこ露出するようになって…

フランス人の生産性の高め方

フランスに住んでいると、人々の時間感覚の違いに辟易することがよくある。駅の故障した自動改札は修理をせずに何ヶ月も放置したままだったり、ビザの手続きも無駄に時間がかかる。 ところが先日、これと相反する行動を目の当たりにした。 今月、私が所属す…

科学報道に大切なこと

ある若手記者によって書かれた、科学報道に関する産経ニュースの記事が叩かれている。 科学取材…専門用語飛び交い理解不能の世界、頭が真っ白に: 産経ニュース 内容は、文系出身の若手記者が記事作成のために研究者の取材をするものの、研究者が話す専門用語…

鍵をかけましょう

自宅に女性を連れ込んで乱暴しようとしたとして、京都市の大学生が逮捕されました。 強姦未遂容疑で同志社大生逮捕 京都 この大学生がこれまでに行ってきたハレンチ行為の数々を、twitterで逐一報告していたことが分かり、ネット上で大きな注目が集まってい…

EM菌こそ宇宙最強のエイリアンである

クマムシも納豆菌も驚愕の、トンデモない論文が大阪日日新聞に掲載されていた。 大阪ヒト元気録:大阪日日新聞 論文中では、EMボカシネットワークという研究組織がEM(Effective Microorganisms)を使用し、その有用性を示している。 そのEM菌の、恐るべき効能…

かわけ!クマムシのように。:理系クンと思想クン

最近、思想ブームが来ているらしい。あちこちのウェブ媒体で思想系の論客がインタビュー記事をみかける。 そして、若手の思想系論客、いわゆる思想クンが一部の女子たちにとってアイドル的な存在になっているようだ。 思想ブーム到来!要チェックのイケメン…