クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

アルファブロガーのメレ子さんにメレンゲが腐るほど語ってもらいました


私が発行しているオンラインジャーナル「むしマガ」の特集として、人気ブログ「メレンゲが腐るほど恋したい」を運営するアルファブロガー・メレ山メレ子さんのインタビューを本日から掲載する。4時間弱に及ぶインタビューからは、こちらも勉強になるような気付きがたくさん得られた。


メレ子さんとは彼女が座長を務めたニコニコ学会βのむしむし生放送に登壇者として呼んでいただいたことで、縁ができた。ネット上で大きなプレゼンスをもつメレ子さんに対して、最初は「もし高飛車な人だったらどうしよう」とビクビクしていたのだが、そんな心配は杞憂に終わった。実際のメレ子さんは物腰柔らかく、細かい気配りを忘れない才色兼備の方だった。彼女のおかげで、むしむし生放送では余計なことに神経を使わずにすみ、プレゼンに集中することができた。


メレ子さんは平日は会社員としてフルタイムの勤務をこなしながら、むしむし生放送や昨年行われた昆虫大学などのイベントを取り仕切るなど、精力的な活動を展開している。ネット上の有名人がオフラインでイベントを行うことはよくあるが、メレ子さんのように本業と全く無関係の活動にここまで深くコミットするケースは珍しい。これは、メレ子さん自身が純粋に好きなこと、やりたいことをやっているからに他ならない。



ナミアゲハ幼虫の臭角(威嚇の際に出す角状の器官)を装着したメレ子氏


メレ子さんは、ごく普通の人が「やりたいことを実現させるため」にどうすればよいかを考える上で、よいロールモデルとなるだろう*1。ブログを書くことで支持を得て影響力をもち、ネットの世界を飛び超えて多くの人々を巻き込んでいく。こうすることで、メレ子さんのプレゼンスはますます大きくなり、自分のやりたいことの実現のために協力してくれる人もどんどん増えていくのだ。


もちろん、ここまでのプレゼンスをもつようになるまでには、魅力的なコンテンツを制作・発信できるように時間をかけて試行錯誤を繰り返す必要がある。メレ子さんの場合、とにかくブログを多くの人に読んでもらうためにアクセスが集まる記事の傾向を研究し、結果として旅行日記に特化した記事を書き続けることにしたそうだ。また、自分の顔を露出する決心をしたのも、旅行紀というブログコンテンツとの相性がよいと判断したからだ。人の表情がもつ情報量は非常に多いため、ブログ記事の読者が感情移入しやすくなる効果があるのだ。


今回のインタビューでわかったのは、顔出しにしろtwitterでの発言にしろ、ひとつひとつの言動に対してメレ子さんがきちんと事前に理由付けをしているということだ。露出の多いアルファブロガーは攻撃されたり炎上することが多く見られるが、メレ子さんはそのような不幸にあまり見舞われないのも、この緻密な配慮のためだろう。ネットでのイメージとは違い、割とドライでクールな印象も受けた。


だが、意外なことに実際に彼女を突き動かしていた原動力は「皆から愛されたい」という純粋かつ強烈な欲望だった。ブログを書き、読者からもらった愛情を承認欲求で飢えた心に注ぎこむ日々。この種の愛は塩水のように飲めば飲むほど渇き、さらに欲っしてしまうのを分かっていながら、止められない。こういう人間臭さとクールさを併せもつところが、彼女の魅力かもしれない。


このインタビュー内容の全貌は有料オンラインジャーナル「むしマガ」(月額840円・初月無料)のVol.153〜Vol.167にて明らかにする (購読申込はこちらから)。本インタビューには、ふだんブログなど表には書けないようなメレ子さんの思考がふんだんに盛り込まれている。本日から7回にわたるメレ子さんのインタビューのラインナップは以下の通り。

【メレンゲが腐るほど語りたい】メレ山メレ子2万字インタビュー


第1回 メレ子のむしむし生放送: 時代は「虫萌え」から「虫博士萌え」へ
第2回 メレ子の履歴書: 東大→ニート→虫ガール覚醒
第3回 メレ子流イベント作り: 昆虫大学は「メレ子の夢ランド」
第4回 メレ子流ブログ術: 旅行記を書くのは楽ちん
第5回 メレ子の欲望: ただ自分が愛されたかった
第6回 メレ子、吠える。: 発信者の掟
第7回 メレ子の進化: 意識を超えたところで動く


「何かしたいけれども一歩前に踏み出せない」と思っている人は、本インタビューを読むことで、活動を始める際の指針を得られるだろう。


最後に。答えにくいきわどい質問にも本音で答えてくれたメレ子さん、どうもありがとう。おかげさまでたいへん面白いく、かつタメになるインタビュー内容になりました。


(おまけ)










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【関連書籍】

メレンゲが腐るほど旅したい メレ子の日本おでかけ日記: メレ山メレ子

*1:よく考えたら、あれだけ変人な虫博士たちを調教できるメレ子さんは普通の人ではない。