クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

鍵をかけましょう

 自宅に女性を連れ込んで乱暴しようとしたとして、京都市の大学生が逮捕されました。 


強姦未遂容疑で同志社大生逮捕 京都


 この大学生がこれまでに行ってきたハレンチ行為の数々を、twitterで逐一報告していたことが分かり、ネット上で大きな注目が集まっています。驚くのは、twitterで自ら実名+顔写真付きで数々の行為を報告している点です。恥も外聞も無いというレベルを通り越して、一連の行為を誇らしげに見せつけたいという欲求も垣間見えるところに、恐怖すら感じます。容疑者が逮捕されているためtwitterfacebookのアカウントは削除されずそのままになっています。容疑者の家族や友人の心境も堪えられないものがあるでしょう。


 今回の事件は路上で見つけた女性を自宅に連れ込んだものでしたが、実は僕は、連続暴行魔に自宅侵入されたことがあります。大学生だった12年前のことです。当時僕は神奈川大学に通っていましたが、近くのT大学付近のアパートに一人暮らしをしていました。事件が発生した時期は、ちょうど大学の定期試験期間中でした。その日、無計画なダメ学生だった僕は、翌日に控えた生化学の試験勉強をしないまま夜を迎えたため、


「よし、朝早く起きて勉強しよう」


 と能天気なことを言いながら、午前6時に目覚まし時計のタイマーをセットしてベッドに入りました。そして、明け方。かすかに「スー」という風が漂うような音がしたな、と夢の中で感じた次の瞬間、ベッドのある居間とキッチンとを仕切るスライド式のドアが「スルスル」と音を立てました。この音を夢の中で聞いたその0.5秒後、


「ピピピピピピ!」


 という目覚まし時計のアラームが鳴りました。そして僕が目を開けた瞬間、視界に飛び込んできたのは黒い人影だったのです。心霊現象に出くわしたような恐ろしい気分でした。目覚まし時計のアラームに驚いたのか、黒い影は一切物音を立てずにスーッとアパートの外に出て行きました。この時点でもまだ、心霊現象が起きたかのような、狐につままれたような気分でした。


 それから数秒し、この現象をようやく「不審者が自分の部屋に侵入した」ということと認識しました。しかし、恐怖の方が大きく、犯人を追跡しようなどという気は全く起きませんでした。数分ほど身動きがとれず、アパートの玄関のドアにも近づけませんでした。侵入者の移動スキルは、本当に驚くものでした。生身の人間とは思えないほど、全く音を立てずに移動していたからです。


 この一件以来、夜は必ずドアに鍵を閉めるようにしました。


 そして、この日から1年以上が経過した後、神奈川の秦野署から電話がありました。ある暴行魔が逮捕され、この暴行魔が僕のアパートに侵入したことを供述している、というのです。この暴行魔、T大学の学生で、1年で185件もの強制わいせつや窃盗を犯してきたことが明らかになりました。


私大生、婦女暴行など犯行185件/わいせつ・窃盗も重ね、余罪続々


 当時の他のニュース記事によると、この容疑者、T大学の講義は出席せずに日中からT大学キャンパス内や街中で好みの女性を見つけて尾行し、アパートの場所を確認していたとのこと。夜に女性が住むアパートに忍び込んでナイフで脅して暴行し、金銭を奪う行為を繰り返していたのだとか。僕の部屋に入ったのは、女性がいるものと勘違いしていたためと思われますが、もしあの時、目覚まし時計が鳴らなければ、自分の身にも危険が及んでいたことでしょう。試験勉強をきちんとしていなかったことが、妙なところで役に立ちました。


 この暴行魔の供述によると、一人暮らしのかなり数の女性が、ドアに鍵をかけていなかったということです。一人暮らしの方もそうでない方も、油断せずに必ず施錠することをおすすめします。