3月8日にJ-WAVE TOKYO MORNING RADIOに出演します
3月8日(水)朝8時35分ごろから、J-WAVE TOKYO MORNING RADIOに出演します。
この番組に出るのは2013年以来。当日は六本木ヒルズから世界にクマムシを発信します。
クマムシ研究クラウドファンディングも142名ものサポーターの方から150万円以上のご支援をいただきました。
みなさま、どうも有難うございます。引き続きよろしくお願いします!
クマムシ研究クラウドファンディングの支援者が100名になりました
academistで行っているクマムシ研究クラウドファンディング、3月2日にスタートしてから3日間が経過し、ご支援いただいた方の数が100名になりました。
100名の皆さまに心より御礼申し上げます。
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クマムシ研究クラウドファンディングに2日間半で100万円のご支援をいただきました
3月2日にスタートしたクマムシ研究クラウドファンディングが、開始2日間半で100万円の支援が集まりました。
これで目標金額200万円に対し50%の達成率となりました。うーん、嬉しいですね。ご支援いただいた皆様、どうも有難うございます。
とくに限定100個の12000円のリターン、「限定かんみんシロクマムシちゃんぬいぐるみS」「クマムシさんぬいぐるみL」「サイン付き『クマムシ博士のクマムシへんてこ最強伝説』」「クマムシ博士サイエンスカフェ参加権」のクマムシ福袋は、すでに67個が購入されています。残りは33個。あと2〜3日で完売する勢い。
たくさんのご支援の他にも、うれしいことに研究者の方や企業からもコンタクトをもらっています。ただ、目標達成をしなければこのプロジェクトは成立しないので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
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トトロの里、瑞穂町でクマムシ講演と観察会を開催。
2017年3月12日(日)、東京都瑞穂町の郷土資料館でクマムシ講演会とクマムシ観察会を行います。参加費無料、子ども大歓迎。瑞穂町は『となりのトトロ』の舞台といわれる狭山丘陵の西に位置する牧歌的な町。
この講演会、「人をダメにする超巨大クマムシさん」も特別に参加します。
定員110人ですので、参加申し込みはお早めに。場所や申し込み方法の詳細はこちら。
「最強生物クマムシを知ろう」
場所:東京都瑞穂町郷土資料館けやき館(多目的室・体験学習室)
開催日:2017年3月12日(日)
時間割:
12:30 開演
13:00〜14:00 講演
14:45~15:30 観察会定員:110人
申し込み方法:瑞穂町図書館にメール toshokan@town.mizuho.tokyo.jp か電話 042-557-5614 で予約
みなさんのご来場をお待ちしています。
NHK『あさイチ』にクマムシと出ます
3月2日(木)のNHKの情報番組『あさイチ』にクマムシがちょこっと出てきます。慶應義塾大学先端生命科学研究所が取り上げられる中で、クマムシ研究グループも取材を受けました。8:15から9:00の間のどこかで出てくるようです。
クマムシとは関係ないですが、『あさイチ』アナウンサーの有働由美子さんといえば、シドニーオリンピック柔道男子100kg超級決勝の疑惑の判定後に涙を流しながら原稿を読んでいたのがとても印象に残っています。
- 作者: 堀川大樹,ナショナルジオグラフィック
- 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
- 発売日: 2017/02/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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クマムシールがついてくるクマムシ本新刊『クマムシ博士のクマムシへんてこ最強伝説』も好評発売中。よろしくまむしです。
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TRAPPIST-1の系外惑星群について、観測の背景や今後の展望
先日、NASAらが会見で発表したTRAPPIST-1の系外惑星群について、観測の背景や今後の展望について解説した記事を『iRONNA』に寄稿しました。
記事タイトルは私ではなく編集部がつけたので盛っているかんじですが、興味ある方はご一読ください。『iRONNA』ではTRAPPIST-1の系外惑星群について、福江翼さんや山岸明彦さんなど惑星科学やアストロバイオロジーの専門家も寄稿しているので、こちらもおすすめ。
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クマムシさんを預かっていただける書店さん募集
クマムシ本新刊『クマムシ博士のへんてこ最強伝説』が、全国の書店で並び始めました。今回のクマムシ本はゆるマニ系(ゆるくてマニアック系)。おまけでクマムシールもついてきます。
- 作者: 堀川大樹,ナショナルジオグラフィック
- 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
- 発売日: 2017/02/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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アマゾンなどで予約注文をしていただいた方にも、そろそろ発送が始まるころですので、しばしの間クマムシさんを揉みながらお待ちください。
ところで今回は、全国の書店さんに、クマムシ博士と出版元のナショジオから、下記のとおりお願いがあります。
【全国の書店様】『クマムシ博士の クマムシへんてこ最強伝説』発売にあたり、「くまむしさんキーチェーン付きポップ」を準備いたしました。ご希望の書店さまは、本アカウント宛てにDMかメンション等でお知らせください。お待ちしております! https://t.co/JgeIkfmGBw pic.twitter.com/eJ05S9MpEV
— ナショナルジオグラフィック (@NatGeoMagJP) 2017年2月22日
クマムシさんの存在は書籍売上のみならず、店舗イメージアップにも貢献すると思われます。ということで、もし『クマムシ博士のへんてこ最強伝説』の販売に際し、クマムシさんキーチェーン付きポップを設置していただける書店さんは、ぜひナショジオのツイッターアカウントまでメンションかDMでご連絡ください。
それでは、どうぞよろしくお願いします。
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すでに始まっている「子どもの遺伝子改変」
人類の倫理観を変えつつあるバイオテクノロジー「ゲノム編集」と「ミトコンドリア置換」についての解説記事をウェブ・ジャーナル『ハーバー・ビジネス・オンライン』に寄稿しました。
もしかすると、治療目的で子どもを遺伝子改変することは、10〜20年後には珍しいことではなくなっているかもしれない。
だが、忘れてならないのは、受精卵に遺伝子改変を施す場合は、子どもにインフォームドコンセントをすることができないということだ。何も知らされずに遺伝子改変人間となった場合、そのような子どもにはアイデンティティー・クライシスが起きてもおかしくない。
さらに、受精卵への遺伝子改変は、子孫代々に受け継がれることになる。いったん受け渡した遺伝子改変は、子孫を通して拡散してゆく。
我々は、このことについて、よく考えておく必要がある。将来、誰もがこの技術を使う当事者になりかねないのだから。
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小飼弾さんのニコニコチャンネル『404ch Not Found』の番組にゲスト生出演します
2017年1月23日(月)20時から小飼弾さんのニコニコチャンネル『404ch Not Found』の番組にゲスト生出演します。
私はだいぶ前から小飼弾さんのブログ『404 Blog Not Found』で書評などの記事をよく読んでいたので、今回、ニコニコ生放送でゲストとして呼んでいただきとても嬉しい。
当日はクマムシの話を中心にする予定だが、何しろあの博学な小飼さんなので、どんな方向に話が飛んでいくかわからない。地蔵にならないように、話すネタのストックを用意しておこう。
あ、ニコニコといえばクマムシチャンネルもよろしくどうぞ。
今年は一、二週間に一度くらいのペースで生放送をする予定。1月14日(土)も一人語りをする。
2016年にクマムシ博士が掲載された雑誌や書籍など
2016年もさまざまな出版物などでクマムシ博士を紹介していただいた。ここでは、主なものを紹介させていただく。
- 作者: 武田正倫
- 出版社/メーカー: 学研プラス
- 発売日: 2016/06/28
- メディア: 大型本
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まずは水の生物をフィーチャーした図鑑。クマムシのパートへの資料提供および監修を、荒川和晴さんと藤本心太さんと一緒に担当した。
この図鑑はクマムシもさることながら、他にもあまりスポットライトが当たらない生物も含め、かなりの水生生物の分類群をカバーしている。掲載種数は1300種。系統樹も入っていたりと、なかなか本格的な作りになっているので、大人も興奮できる。
これをながめておけば、海辺や川辺に出かけたときも、楽しさはひとしおだろう。付録のBBC制作DVDも楽しい。年月を経ても読まれ続けるであろう、力の入った図鑑だ。
- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2015/12/05
- メディア: 新書
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こちらは言わずと知れた堀江貴文さんの著書。ベストセラーになっているようだ。本書では「言い訳しないで行動する」例として、クマムシ博士の活動を取り上げていただいた。他には、カンボジア国籍を取得しオリンピックに出場した猫ひろしさんも紹介されている。
- 作者: 肥沼和之
- 出版社/メーカー: 実務教育出版
- 発売日: 2016/09/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こちらは、以前クマムシ一日バーを開催させていただいたバー「月に吠える」のオーナーのコエヌマカズユキさんの著書。ウェブマガジンでもインタビューしてもらった。
昨今、フリーライターやウェブライターがジャンクページを量産する駒として扱われている報道をよく目にするが、本書ではそうならずにライターとしてやっていくための指南が示されている。
フリーライターとして強みをもつ方法はいろいろあるが、そのひとつが誰にも負けない専門知識を身につけることだ。その例として、本書はクマムシ博士を紹介している。
本書はライター志望者に向けて書かれているが、どんな仕事にも参考になるTipsも多い。とりあえず、物書きをする人は読んでおいて損はない。
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/08/12
- メディア: 雑誌
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子ども向けジャーナル『ジュニアエラ』9月号には「“最強”生物「クマムシ」のナゾ」と題したインタビュー記事を掲載いただいた。最近はクマムシを知っている子どもが増えて嬉しい限り。
鳥羽水族館の機関紙『TOBA SUPER AQUARIUM』2016年夏号(No.69)には「クマムシ生体展示への道」と題した記事を寄稿させていただいた。鳥羽水族館では、不定期でヨコヅナクマムシの生体展示が行われている。
こちらも教育雑誌。Educo No.40/2016年初夏号で、クマムシ研究についての取り組みについて書かせてもらった。
あとはテレビや新聞などにもいろいろと取り上げてもらったが、ここでは割愛する。2017年はクマムシ博士の単著新刊も出る予定なので、またしかるべき時期に告知させていただきたい。
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クリスマスにクマムシを24時間生中継します
今年のクリスマスはクマムシチャンネルでクマムシを24時間生放送します。クマムシチャンネルはこちら。
中継場所は、渋谷FabCafe MTRLのオープンバイオスペース・BioClub。
Photo credit: BioClub
放送は2016年12月24日(土)正午12:00から翌日12月25日(日)正午12:00まで。
当日の中継内容はこちら。
クマムシ博士が飼育しているクマムシをクリスマスイブからクリスマスにかけて24時間生中継します。
ヨコヅナクマムシを乾燥した仮死状態(乾眠)にして、耐久実験の生中継も。クマムシが復活するかをみんなで一緒に見守りましょう。
クマムシ博士主催のクマムシ研究所の仲間とのクマムシトークもあります。
ニコニコ動画のアカウントお持ちでない方はアカウント作成をしてをログインをすると見ることができます。
今年のクリスマスはリア充も非リア充もクマムシとともに聖なる夜を過ごしましょう。
人工肉と人工肉が変える道徳
みんな大好きなお肉。人工肉開発の現場と、人工肉が未来の道徳や倫理観を変えうると考察したコラムをウェブ・ジャーナル『ハーバー・ビジネス・オンライン』に寄稿しました。
今、この記事を読んでいる時点でも、10億頭のブタ、15億頭のウシ、そして190億羽ものニワトリが、人類の胃袋を満たすために、この地上で待機させられている。
人工培養肉は、環境にフレンドリーなだけではない。家畜を殺さずに済むので、動物フレンドリーでもある。人工肉は、その製造コストが十分に下がれば、マーケットには人工肉が一気に広がるだろう。
人工肉は、人類の宇宙進出にも一役買うはず。地球外惑星への移住には、現地での食料の確保が必要だ。タンパク源として家畜を連れて行くよりも、タンクと培養液で作れる人工肉を摂取するほうが現実的だろう。
人工肉が普及した未来では、「本物の肉を食べるのは野蛮な行為」という倫理観が人類に定着するかもしれない。その一方で、特定の性癖をもつ層から、ヒトの細胞から作られる「人工ヒト肉」への需要が芽生えてくるかもしれない。
技術の革新はいつだって、人の倫理観を劇的に変える。人工肉は人類を救うのと同時に、新たな道徳をも生み出すことだろう。
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ノーベル賞と研究費供給
ノーベル賞受賞に絡んで、研究供給をどうするかという問題について考察したコラムをウェブ・ジャーナル『ハーバー・ビジネス・オンライン』に寄稿しました。
研究費の集め方や研究活動のやり方も、多様化している。基礎研究の芽を絶やさないためには、科研費など既存の財源に頼るだけでなく、新しい手段も取り入れていくべきだろう。
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レールを外れてクマムシ研究
クマムシは極限環境に耐える動物として知られる。私たちは今回、そのクマムシの中でも横綱級の耐性を誇るヨコヅナクマムシの高精度ゲノム配列を決定し、本生物の放射線耐性機構の一端を解明した。本論文はNature Communicationsに掲載された。
日本語のプレスリリース文はこちら。
ヒト培養細胞の放射線耐性を向上させる新規タンパク質をクマムシのゲノムから発見:東京大学
本研究の研究内容についてはプレスリリースも出ているので、ここでの解説は控えようと思う。その代わりに、ちょっと余談でも。
私がクマムシの研究を始めたのは2001年。まだ学部生の頃だった。たまたま配属された研究室の関教授がクマムシの研究をしていたことがあり、さらにOBの先輩から実際にクマムシを見せてくれた事が、クマムシ研究を始めるきっかけになった。
その後、大学院に進んでもクマムシの研究を続けようと決心していた。当時の指導教官の東教授はアリの生態学が専門だったが、「クマムシしかやりたくない」という私を受け入れて指導をしてくれた。余談だが、私は今、「アリしかやりたくない」という学生の指導をしている。何の因果だろうか。
さて、当時、頭の中にお花畑が咲いていた私は「クマムシの耐性についての研究はほとんど手付かずの状態で、自分でも何か面白い発見ができる。もしかしたら、第一人者にだってなれるかも」と思っていた。バカが考えそうなことだ。
当たり前だが、手付かずの研究分野には知見が蓄積されていないため、何から手をつけて良いのかわからない状態であった。クマムシがどんな餌を食べているのかも、ほとんど知られていないような状況だったのである。ちょっと賢い人間であれば、こんなリスクの高い研究など絶対に手を出さないだろう。
何とか生態学的な研究を行い修士課程を卒業したものの、クマムシ研究には限界を感じていた。実験室での飼育系も確立していない生物に、未来はない。そんなとき、幸運にも慶應義塾大学の鈴木忠さんが肉食性クマムシのオニクマムシの飼育系を確立した。この飼育システムを使えば、クマムシ研究は一気に進む。光が見えた気がした。
だが、いつも現実は甘くない。小さなクマムシを分析するには、多数の個体を集める必要がある。オニクマムシはなかなか増えず、ときには1日に16時間ほども世話をした事もあった。もはや、飼育ではなく介護だ。これでは、ゲノム解析にしろ、放射線耐性メカニズムの解析にしろ、実際にやり遂げるのはかなり難しい。
そしてオニクマムシに見切りをつけることに。新しく飼育ができる種類のクマムシを探しはじめたのである。博士課程2年のときだ。もちろん、飼育できるようなクマムシが見つかる保証は、どこにもない。博士号を取れず、ドロップアウトするリスクも覚悟の上での判断だった。
そして幸運な事に、博士課程2年の秋に、1種類のクマムシがクロレラを食べて繁殖することを発見。修士課程のころに、札幌市内で見つけた褐色のクマムシだった。
寒天培地の上でクマムシがどんどん増えていくさまを目にしていたこの頃が、これまでの研究人生の中でもっとも興奮した時期だった。
実験を重ね、この褐色のクマムシは他の種類のクマムシと比べてもだいぶ高い耐性をもつことがわかった。そこで、ヨコヅナクマムシという和名を与えてやった(学名はRamazzottius varieornatus)。単為生殖で増えるこのクマムシを1匹から増やし、標準系統も作り、これにはYOKOZUNA-1と名付けた。
2006年から、東京大学の國枝さんらと、このヨコヅナクマムシのゲノム解析のための研究をスタートさせることになる。まだ、この研究自体には何の研究費も付いていない頃だった。それでも、みんなでたまに集まって飲んでは議論したり、楽しい時期だった。
その後、私は博士号をとったものの、なかなかポジションが取れずにオーバードクターになった。クマムシにつけてもらえる予算はなかったのである。無給でゲノム解析のためのクマムシサンプルを育てたり、放射線耐性の研究をする日が続いていた。
結局そのあと、私はアメリカとフランスで計5年を過ごし、また日本に帰ってきた。慶應で非常勤として研究しながら、非専門家を集めたクマムシ研究所も主催したりと、割と不思議なポジションにいながらもクマムシの研究を継続している。
その間にも、慶應の荒川さんや東大の國枝さんのところのように、世界的なクマムシ研究の拠点と呼べる研究室もできた。そして、今回のヨコヅナクマムシのゲノム解読の、10年越しの研究論文発表。クマムシ研究にひとつの節目をつけられたようで、本当に感慨深い。クマムシの研究を始めた学部生の当時、このような日が訪れるとは予想できなかった。
また、Dsupについては機能解析を進めた橋本さんの仕事の成果で、これも当初はリスクの高いテーマだと思われていた。
私がクマムシ研究を始めた頃は、よく否定的なことを言われたものである。「クマムシは研究というよりは趣味の世界」と言われたこともある。それでも、たくさんの人に支えてもらい、今でもクマムシの研究をすることができている。私が作った実験系を使って、クマムシの研究をしている研究者や学生もいる。クマムシ研究所とBioClubのワークショップでは、小学生から社会人まで幅広い層の人たちが研究をしている。
当時の私は、大学院に進んだ学生の中でも、だいぶレールから外れた研究テーマを選んだ。一歩間違えれば、学位が取れずに研究者としてはとっくに死んでいただろう。だが、そういうバカな人間だって、人柱として必要なこともある。私が成し遂げてきたことなどたかが知れているが、それでも曲がりなりにも、自分の研究が誰かの研究に役に立っていたりする。
バカが勘違いをして始めた研究がそこそこの成果を生み、そこに色んな人たちが絡んで、またさらなる研究の広がりを見せる。今回の研究成果もまた、他の研究に役立ったり、将来は思いもよらないような用途に応用されることだってあるかもしれない。
だから、ありきたりなことに聞こえるかもしれないが、多様な研究ができる環境というのはとても大事なのである。その環境は、単純に予算だけで解決出来る問題ではない。レールから外れているように見える人たちを嘲笑する風潮をなくすことも、そんな環境作りには必要だろう。バカにやさしい環境作りである。
もし、この記事を見ている貴方が学生で、レールから外れたいと思っているなら、外れてみるのもいい。失敗しても後悔しないと、自分に約束できるなら。
【参考資料】
『アカデミック・ラブ』をカクヨムに発表しました
先日の記事『アカデミック・ラブ』を小説投稿サイトのカクヨムに発表しました。
アカデミック・ラブ - むしブロほりかわさんもカクヨムに来ましょう!
2016/09/15 09:39
このようなコメントをいただき、カクヨムの存在を初めて知ったのですね。カクヨムで人気になった小説は、実際に出版されたりするようです。もっとも、『アカデミック・ラブ』は字数が少ないので、たとえ人気が出たとしても書籍にはなりませんが。
『アカデミック・ラブ』には割と大きな反響があり、感想をたくさんいただきました。さっそくカクヨムでも嬉しい感想をいただきました。
すごく美しい作品です。
構成、文章力、メタファー、構成要素が綺麗に組み上がっていてそれでいて「辛い」感情を綺麗にあとに残していく。無駄なものがない。研ぎ澄まされた、小説のお手本のような作品だと感じます。
同じ作者の作品をもっと読みたいと思わされる、力のある小説です。
どこまでも理性的で打算的で利己的で排他的な恋愛モノでした。
生物が保持する恋愛感情は、突き詰めれば生物としていかに強い子孫を残せるかという生存原理に基づくものですが、それを現代に生きる人間に当て嵌めて分析すればどうなるか。
結論はある意味当たり前ではあるのですが、何かといえば夢想しがちな恋愛感情を現実的価値観として徹底的に滔々と描写し続ける本作品には、唯一無二の魅力といいますか、破壊力がありました。
構成、文章、描写、メタファーに一切の無駄がなく、丁寧に組み立てられた作品で、ああ、正にこれは理系の恋愛小説だな、と感服せざるをえない作品でした。
このどこまでも理屈の通った作品をもっと読んでみたい。次回作に期待したいです。
ブログに感想を書いていただいた方も。
Twitterとはてなブックマークに寄せられたコメントも紹介します。
これ,最初は結構面白いなと思って読んでましたが,最後には心がえぐられましたね…https://t.co/972je4plWH
— 玲於奈@Tororo-10 (@reonaarticle) 2016年9月15日
この破壊力
— ebiryu (@ebiryu65) 2016年9月16日
アカデミック・ラブ - むしブロ - https://t.co/82XnGJI8oZ
これ、めっちゃ面白い。胸の奥がキュッとなった。
— KenYama (@dansaw2010) 2016年9月19日
研究室あるあるを、読み応えのある一つのストーリーに凝縮する手腕に脱帽。
アカデミック・ラブ - むしブロ https://t.co/Ayy51HwD6t
普通によく書け過ぎてて、面白いし、怖い。
— RF0320 (@fujichaaaan) 2016年9月15日
https://t.co/coSIicgIzN
これを読んで面白いと思うほどにアカデミアに毒されてる https://t.co/QRPOuzEH2b
— 松田壮一郎 (@stargate_boy) 2016年9月14日
くだらないものを読んでしまった。業界的リアリティとファンタジーがミックスし、悪い読後感も含めてお勧め(笑) >アカデミック・ラブ - むしブロ https://t.co/ONHtI4dAZc
— Katsutoshi Watanabe (@watanak_tweet) 2016年9月13日
>RT アカデミック・ラブ、変な汗かいた・・・現実で起こりかねない悲しい物語。だけど、まず人のこと貶めてヒエラルキーの上に君臨したがるようなヤツは好きになれないゾ!(女目線)
— ざわこ (@tkzwy) 2016年9月14日
面白かった。舞台というか設定はかなり特殊に見えるけど、選ばれる/選ぶ過程は、他の環境も似たところがあるんじゃなかろうか。
— 鴉 (@_BWWN_) 2016年9月19日
アカデミック・ラブ - むしブロ https://t.co/WXrdp2BcOp
笑える物語でもあり,泣ける物語でもある. @horikawad / “アカデミック・ラブ - むしブロ” https://t.co/6cjVkwGTVc
— 野島 高彦【化学】 (@TakahikoNojima) 2016年9月14日
これは泣ける。そして自分も一度だけ、本当に涙を流したことがある。けど「オレのモットーは大きな野望と高い志。「オオタカ」なだけに」とかしょうもなすぎてアカンwhttps://t.co/sHu2Geb6Yl
— こぶ屋 (@kobuyahazu) 2016年9月14日
昔を思い出してお腹が痛くなってきたのでちょっと横になるわ…
— サーモフィッシャーサイエンティフィック (@ThermoFisherJP) 2016年9月15日
アカデミック・ラブ - むしブロ : https://t.co/U4Q9mPjWV6
これ、なんかすごい破壊力あるな。。夫は読むのが辛かったけど読んでしまったと言っていた。私は読み物として普通に面白かった。内容は全く笑えないけど。
— 研究者の妻 (@Kenzuma_ph) 2016年9月14日
アカデミック・ラブ - むしブロ https://t.co/Hitz4BM25q
100人位のポスドクがこのブログ読んで死んだと思う。/アカデミック・ラブ - むしブロ https://t.co/DvaK0Uzfpd
— Ken (@texox23) 2016年9月14日
完全にメンタル死んだし今日はもう寝込む
— 職業的ディレッタント (@hide36ous) 2016年9月14日
アカデミック・ラブ - むしブロ https://t.co/YaFfqudFRb
アカデミックラブ読んでみたけど最初から最後まで不快な感じがして本当にすごかった。
— Pepper2 (@skjune12) 2016年9月16日
そういえば「アカデミック・ラブ」読んだんですけど、「喜嶋先生の静かな世界」の対偶って感じで最高でした
— さっさん (@_sasn) 2016年9月16日
ポスドク×非常勤で子供2人作っちゃった目線で見ると、こんな世界もあるのかもなぁ。。。というのが感想。研究者同士の恋愛で、パーマネントかどうかでスクリーニングかけてる例をあんまり知らない。
— たなさん (@tana3yo) 2016年9月14日
アカデミック・ラブ - むしブロ https://t.co/2C2t87Wump
彼女をどうにかして手に入れようとして一時期は上手くいったけど研究の実績を上げられなかったので彼女に見限られて寝取られた、とかいうアカデミック・ラブ、凹むも何も残当なんだよなあ。
— Γερμαθ@ポンコツ (@mathphilia) 2016年9月15日
文系の院生で民間就職の道がない歴史系はもっと明日が無いです、こんな甘くはないですよ?
— 光の中から現れた短期決戦の鬼和田豊 (@tamio0524) 2016年9月14日
アカデミック・ラブ - むしブロ https://t.co/48y3Lw4zbz
院生とか専業非常勤の時に読んでたら、確実にトラウマになったと思う。◆アカデミック・ラブ - むしブロ https://t.co/cLiYS0v7UV
— МИНАТО Күнио (@3710920) 2016年9月13日
アカデミック・ラブ - むしブロ面白かったです。大好きだった「アフター0」の雰囲気を思い出しました。鹿の角(←雄の権威?)を持った男が会社内で出世し、角が大きくなりすぎて時代に適応できず失脚する話だったかな。
2016/09/14 14:19
アカデミック・ラブ - むしブロ長いけれど面白くて一気に読んでしまいました。最後まで切ない‥
2016/09/15 00:24
アカデミック・ラブ - むしブロそして紗季は研究を続けたんだろうか…と気になる読後。こども2人作って、ラボワーク激しい夫がいて…という環境で生物学者を続けるには千現君が相当色々こなさなければ難しい。彼女の研究者生命やいかに。
2016/09/15 13:39
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