クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

クマムシ vs. 極限環境微生物ー地上最強生物トークバトル

先日、極限環境微生物学者の高井研氏の著書を出版社のイーストプレスから送ってもらった。


微生物ハンター、深海を行く:高井研

本書は高井氏の研究人生のこれまでをドラマティックに、そしてバブリーな表現で綴ったものだ*1。これから研究者を目指そうとする学生にとっては参考になる部分あるだろう。参考にならない部分もあるが。


さて、本書の中ではなぜか私とクマムシも取り上げられている。しかも、かなりディスられているのだ。

ブログやらツイッターやらのコメント欄に、どうもうら若い女性達の「堀川さん素敵 ♡、クマちゃん最強、きゃわうぃーねー♡」みたいなニュアンスのコメがたくさん載っているのを見た瞬間、ワタクシの心の闇に「堀川許すまじ!クマムシ許すまじ!」の黒い情念がゴッゴッゴッと湧き上がってくるのを止められずにいたのだ。

「へっ、なにがクマムシだよ。あんなプニュプニュのユルユル歩きなんて、相手じゃねえぜ。地球最強はアレよ、極限環境微生物よ。そらそうよ」などと嫉妬の炎が燎原の火のごとくメラメラしていたりするわけで


本書やtwitterでの発言から、高井氏はかなりの女性好きであることが伺える。クマムシや私に対するライバル意識は、女性からの注目を集める我々に対する嫉妬心が源となっているようだ。


いずれにしても私から言いたいことは、クマムシは極限環境微生物の敵ではなく、正真正銘の地上最強生物だということだ。


もちろん、生存可能な温度範囲など、ストレスに対する耐久力を強さの指標とした場合は極限環境微生物の方がクマムシよりも上だろう。だが、文字通り"単細胞"の微生物どもと、脳神経系や消化系など複雑な体制を備える高等生物クマムシを比較すること自体がおかしいのだ。ストレスにさらされたとき「細胞ひとつが生存できればOK」という極限環境微生物とは、まったく次元の異なる耐性能力なのである。


とまあ、ネット上での水掛け論をしても仕方がないので、MCにメレ山メレ子さんを迎えて公開討論を開催することにした。詳細は以下の通り。


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クマムシ vs. 極限環境微生物ー地上最強生物トークバトル!


【日時】


2013年9月25日(水) OPEN 18:30 / START 19:30


【会場】


新宿ロフトプラスワン

新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2  アクセス


【出演者】


高井研(微生物地球学者)
堀川大樹(クマムシ博士)
メレ山メレ子(むし大好きブロガー)


【イベント内容】


地球に君臨する最強生物は誰だ?! 


地上最強の生物として知られるクマムシ。その愛くるしいフォルムから、人気もうなぎのぼり。


しかし、これを黙って見過ごすことのできない生物たちがいた。極限的な環境を住処とする、極限環境微生物である。冷戦が続いていたクマムシ vs. 極限環境微生物。だが遂に今回、最強生物どうしの闘いが研究者同士の代理戦争に発展してしまった……。


クマムシ博士 vs. 微生物学者。地上最強生物を決める前代未聞のトークバトルの火ぶたが、今落とされる!


【チャージ】


前売¥1500 / 当日¥1800(共に飲食代別)

※前売券は8/31(土)正午12時から9/24(火)18時までe+にて発売。(チケット購入はこちらから)


※ニコニコ生放送はこちらから

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強いのはどちらか、決着をつけるのを楽しみにしている。


【お知らせ】このブログが本になりました

クマムシ博士の「最強生物」学講座ー私が愛した生きものたちー

*1:"新人ポスドクびんびん物語"など、ヤングな世代には元ネタが分からない表現が多い。