パラダイスレジデンス
嬉しいことに、こうしてブログで執筆活動をしていたりTwitterで情報発信をしていると、多くの人からネット上で色んな感想・コメントをいただく。
そしてたまに、自分と全然違う分野の人や、こちらが一方的に憧れていた人と繋がれることもある。
漫画家の藤島康介先生もその一人だ。
藤島先生はクマムシ好きで、Twitter上で繋がってしまったのだ。まさにクマムシが結んだ縁である。
私は中学生から高校生のころに月刊アフタヌーンを愛読していた。当時のアフタヌーンは藤島先生の「ああっ女神さまっ」をはじめ、「寄生獣」、「ツヨシしっかりしなさい」、「無限の住人」などなどバラエティに富んだラインナップであった。
そして少年時代、私は漫画家になろうと思っていたいたことがある。多くの少年少女がそうであるように、私にとって漫画家はヒーローのような憧れの存在だった。
それから十数年がすぎ、憧れの漫画家の先生と、Twitter上でたまに絡ませてもらっている。インターネット万歳である。
そしてある日、藤島先生がgood!アフタヌーン誌で連載中の「パラダイスレジデンス」を読んでみたい、と私がつぶやいたところ、なんと先生から「小説版パラダイスレジデンス」を直々に送ってもらったのだ。
そして先生の直筆サインが!
家宝にします!
さて、漫画は好きな私だが、実は小説はあまり読まない。
しかし、この小説版パラダイスレジデンスを読んで、ちょっと驚いてしまった。ページ数は200を超えるというのに、ストーリーは半日分しか進んでいないのだ。
この小説では、牧歌的な田舎町の山の上の、とある女子高校の寮、パラダイスレジデンスに入寮する新入生の半日が描かれている。といっても同性愛的なものでもなければ、男子が一人だけ混ざっていてラブゲームになる、といったものでもない。
日常的な女の子同士のやりとりが、淡々と綴られていく。新入生歓迎会のための料理の準備や段取りなどは、とても描写が細かい。そして最後には、初めて親元を離れて新生活を始めた女の子の不安が瑞々しく表現されている。
ファンタジーの設定の中にも人間味ある情緒を、そして昭和を感じさせる、藤島先生らしい作品でした。漫画の単行本化も楽しみにしています。