クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

むしマガハイライト【Vol. 43, 44, 45】


 おはようございます。


 宇宙兄弟という漫画があるのですが、今朝、そのテレビ版でクマムシが出てきたようです。漫画やテレビに出てくるほど、クマムシが世間に浸透してきているようで、本当に嬉しいですね。それにしても見てみたい。誰か録画していないかしら。<本編に続く>


Vol. 43【森山和道インタビューその8「有料メルマガに切り替えた理由」】


森→森山
堀→堀川


堀: まさに森山さんお一人によってスタートしたメルマガだったんですね。


森: 最初は金子邦彦先生で、次は丸山茂徳先生だったんですが、それなりに知名度のある先生に話を聞いたんです、最初は。で、その後は当時あまり知名度のない先生に話を聞きに行ってるんですよ。助手とか。いまでいう助教ですね。まだまだ当時は若手で、この後どうなるか分からないような先生に聞きに行ってたんですよね。


 教授の人達の話はそれはそれとしてもちろん教授なりに面白いんですけど、いま手を動かしている人達じゃないじゃないですか。で、実際に手を動かしている人たちの話を聞きたいな、と。そう言う人たちはあまり取材もインタビューもされていないので、フレッシュですしね。で、そう言う人たちの話をテキストに起こして発信していったら意味があるだろうな、と思って始めたんです。


堀: そこで一つお聞きしたいんですが、メディア、この場合はメルマガに多くの読者を呼び込むには有名な人を出した方がいいですよね?でもあえてそれをせずに、今手を動かしている助教ポスドクの人、まあぼくもその中の一人ですけど、そういう無名な人に話を聞いて紹介していると。それだと多くの読者を集めるのは難しいと思うんですが、そのあたりのジレンマに関しては、どうお考えですか?


森: まぁ......


<本編に続く>


Vol. 44【クマムシ研究日誌: 大学院生としてやっていけるという自信が確信へと変わる夏】


  気付いたら修士課程1年目が終わり、修士課程2年目に入っていた。


 修士1年目の成果というと、オニクマムシとツメボソヤマクマムシ属の一種がたくさんみつかる場所を札幌市内で発見したこと、そしてこのツメボソヤマクマムシ属の一種が新種かもしれない、ということである。


 だが、当然これだけでは修士論文になるようなデータにはならない。せっかく多くのクマムシが確保できるようになったので、このクマムシを使ってどんな研究をすれば良いかを日々文献を読みながら考えていた。


 しかし、文献を読んでも読んでもなかなかアイディアが出てこない。でもアイディアを出さなくてはいけない。親切な先輩や同輩から研究計画についてアドバイスをもらっていたが、残念ながらそのどれもクマムシを使ってできるような研究ではなかった。いや、困った。


 そんなある日、クマムシの乾眠に関するレビュー論文を読んでいると、次のようなことが書いてあった......



<本編に続く>


Vol. 45【クマムシトリビアクマムシは凍ってもなぜ大丈夫なの?】


読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答...の予定だったのですが、前回からクマムシさんとクマムシ助手のゆうさんにバトンタッチしています。


クマムシさん

【プロフィール】
ヨコヅナクマムシの女の子。
のんびりしている。


☆ゆうさん

【プロフィール】
クマムシの世話をしているちょっと不器用な助手。
好物はゆでたまご
http://www.kumamushisan.net/labo.html


◆ 質問:

 クマムシはどれくらいの低温や高温の範囲に耐えられるんでしょうか(その3)。


◇ 回答:


クマムシさん→ク
・ゆうさん→ゆ


ゆ「また1週間たったね。ということで今回は、低温への耐性について色々聞きましょうか。」


ク「うん。前にもこのメルマガで触れたと思うけど、乾眠状態では絶対零度のマイナス273度でも生きていけるんだ。で、ふつうの活動状態のときでも凍っても大丈夫なんだよ」


ゆ「すごいよねー」


ク「まあね。だいたいマイナス200度くらいまでたえられるよ。液体窒素がだいたいそれくらいの温度だね。といっても、液体窒素にいきなりぼーんと入れられるとダメなんだ。」


ゆ「どうして?」


ク「さすがにこういうことをされると、ものすごいスピードで体の中で氷ができて、細胞が破裂してしまうんだ。ゆっくり凍れば大丈夫なんだけどね」


ゆ「ふうん。ところで、なんで凍っても大丈夫なんだろう?」


ク「実は......


<本編に続く>


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