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クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

むしマガハイライト【Vol. 70, 71, 72】

むしマガ


☆━━━━パリの中華街

 昨日はパリの中華街に出かけました。中華街は僕の住まいから歩いて行ける距離にあります。

 中華街そのものに中華系やその他アジア系の人々が多いのですが、そこの一番大きなモールの中に入ると、ここがパリということを忘れてしまいそうなほどのアナザーワールドを体験できます。


 モールの中には巨大スーパーや観賞魚屋など様々な店舗があります。とりわけ目を引くのがロト兼馬券売り場とその向かいにある立ちバーのエリアです。そこにはテレビの競馬中継を食い入るよう見つめるアジア系のおじさんたちでごった返し、彼らの社交の場にもなっています。


 祖国を遠く離れて暮らす人々のコミュニティを見ていて、自分も将来ああなるのかな、などとふと考えたりしました。競馬はやりませんが。


 でも彼らは彼らで幸せそうだし、色んなタイミングが重なって棲む場所がどこに移ろうとも、ささやかな幸せさえあればそれで良いんじゃないかと思えた瞬間でした。

 特にこれからの時代、浮き草のようにゆらゆらしながら生きていく方が困難を回避しやすいと思います。


Vol. 70【むしコラム「悪魔を召還し、嫌がる相手を無理矢理犯す男」】


 記事はこちら


Vol. 71【クマムシ研究日誌「熱帯育ちの眠り姫たちに待っていた過酷な試練」】


 インドネシアから帰国後、さっそくインドネシア産のオニクマムシを使い、実験をすることにした。インドネシアから持ち帰った地衣類を水を張ったシャーレに入れて一晩待つと、乾眠していたオニクマムシが地衣から元気に這い出してきた。


 インドネシアで眠りにつき北海道で目覚めた眠り姫たちを使い、凍結実験を開始した。この姫たちは、これまでの人生で氷点下の気温を経験したことなど、もちろん無い。何せ、温室育ちならぬ、熱帯育ちのお姫様たちだからだ。


 凍結実験は、北海道大学低温科学研究所の片桐先生と島田先生のもと、冷却速度を調節できるプログラムフリーザーを使って行った。オニクマムシたちを蒸留水の入った試験管に入れ、その試験管をプログラムフリーザ内にて毎分マイナス1度のスピードで冷却した。チューブごとに、マイナス10度からマイナス60度までの試験温度まで冷却し凍結した。


 各チューブは凍結温度で15分間保持した後、フリーザ内から取り出して解凍した。解凍したチューブの中からオニクマムシたちを水を入れたシャーレに移し、彼女らが動き始めるかを顕微鏡で観察した。緊張の瞬間である......


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Vol. 72【クマムシトリビアクマムシが食べるクロレラがMOTTAI-NAI」】


読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答します。


◆ 質問:


 堀川さんのヨコヅナクマムシの飼育についての論文(Horikawa et al. 2008, Astrobiology)を読ませてもらいました。


 その中に出てきたヨコヅナクマムシの餌として使っている生クロレラV-12、わたしが見つけたクマムシもよく食べてよくうんちをしていてとても美味しいようなのですが、賞味期限が短いのと、最小購入単位が1リットルなのが非常に残念です。堀川さんも1リットルのものを定期的に購入して利用していましたか?会社に交渉してみようかと思ったのですが、もしかして堀川さんもすでに試みていたのかなぁと思い、聞いてみようと思いました。


◇ 回答:


  クマムシ飼育についての質問ですね。そちらで見つけたクマムシクロレラをよく食べるとのことで、良い感じですね。以下、いただいた質問について少し補足説明をしながら、回答させていただきます。


 おっしゃるように、ヨコヅナクマムシクロレラを餌として成長、繁殖が可能です。しかし、これは日本の「クロレラ工業株式会社」の「生クロレラV12シリーズ」のクロレラでのみ可能です。他のクロレラ株や藻類を与えてヨコヅナクマムシを増殖させることは、難しいのが現状です。


 通常、クロレラやその他の藻類は細胞壁が厚いのですが、このクロレラ株は特殊で細胞壁が極薄になっています。もともとは養殖稚魚の餌として用いるワムシの食料として、このクロレラ株が確立されました。このクロレラ株の細胞壁が薄いためワムシやクマムシが簡単に破砕し消化できるため、かれらが容易に増殖できるものと思われます......


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