クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

クマムシ vs. ミドリムシ

現在発売中の雑誌BRUTUSの特集「新しい仕事と、僕らの未来」に私のことが掲載されています。橋本麻里さんに取材していただきました。



BRUTUS (ブルータス) 2013年 4/15号 「新しい仕事と、僕らの未来」


アカデミアに軸足を置く研究者が有料メルマガを発行したりキャラクターをプロデュースするのは珍しいのもあって、取り上げていただいたのだと思います。


さて、見開きページの私のコーナーのお隣にはミドリムシバイオベンチャー企業のユーグレナ代表取締役である出雲充さんが特集されており「クマムシ vs. ミドリムシ」のような構図になっています。



僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦: 出雲充 著


ユーグレナ社はミドリムシの大量培養方法に成功し、石垣島でミドリムシの大量屋外培養を行っています。ミドリムシを食料やバイオ燃料として利用する研究を進めており、現在はミドリムシサプリメントの売れ行きが好調のようです。食品への添加物としてミドリムシを使う場合も増えてきそうです。伊藤忠商事とも手を組んだことで、さらに売上の伸びが予想されます。


資本力ではクマムシはミドリムシの足元にも及ばないのですが、そのうち石垣島で大量のクマムシを培養させるシステムができればと思っています。ミドリムシの培養槽にクマムシを入れたら、ミドリムシを餌としてクマムシがバンバン増えたらいいですね。


冗談はさておき、ユーグレナについては何年も前から気になってウォッチし続けているのですが、数少ない国産バイオベンチャーの雄としてこのまま突き進んでいってほしいです。なんといっても「ムシ」と名の付く食品やサプリをこれだけフェミニンな方向でのブランディングに成功している功績はすごいです。このままいけば、カイコの幼虫をむしゃむしゃ食べるのがセレブなトレンドになる日もそう遠くないでしょう。


光栄なことに出雲さんも私のことをウォッチしてくださっているというお話を聞きましたので、いつか何かの形でクマムシとミドリムシがコラボしてバイオ業界やムシ業界を盛り上げていければ思います。


というわけで、ユーグレナさん。どうぞよろくお願いいたします。


【お知らせ】このブログが本になりました

クマムシ博士の「最強生物」学講座ー私が愛した生きものたちー