クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

むしマガハイライト【Vol. 28, 29, 30】


 こんにちは。7月最初のむしマガをお届けします。

☆━━━━━━━ロンサム・ジョージ死去

 1972年にガラパゴス諸島のピンタ島で発見された、ピンタゾウガメのロンサム・ジョージが死去しました。推定享年100歳以上です。


ガラパゴス諸島の「ロンサム・ジョージ」死す、ピンタゾウガメ絶滅


 ピンタゾウガメはロンサムジョージが最後の一頭として確認されており、他亜種ゾウガメのメスを一緒に飼育して繁殖させようと試みられていましたが、結局子孫を残すことはできませんでした。


 死因は心臓疾患によるものだと思われていますが、これを特定するために解剖されたとのこと。


 で、気になるのは、その後の死体の処理です。遺伝子工学技術、つまりクローン技術でピンタゾウガメを将来復活させるために、ロンサム・ジョージの組織を凍結保存しているのかどうなのか......<本編に続く>


Vol. 28【森山和道インタビューその3「サイエンスライターの存在意義」】


森→森山
堀→堀川


堀: 今、これだけネットが普及して、現場の人たちがダイレクトに自分のやっていることを解説したり紹介するようになりましたよね。


 そうすると、現場の人と一般市民を繋いでいたジャーナリストとか、もちろんサイエンスライターもそうだと思うんですけど、厳しい言い方をすると、そういう中継ぎ役の方々の意義って何?っていうことになると思うんですけど。例えばサイエンス系のブログでも、匿名の研究者がやっているブログで人気のあるのが結構ありますよね。


森: はいはい。ありますね。


堀: たとえば、蝉コロンさんとか。ああいう人が出てくると、サイエンスライターとかジャーナリストとしては、どういう風にして対抗するのかな、っていうのがお聞きしたいんですが。


<本編に続く>


Vol. 29【クマムシ研究日誌: パワーエコロジー


 神奈川大学を無事に卒業し、北海道大学大学院地球環境科学研究科の修士課程に入学した。指導教官は、東正剛教授。この東教授、風格のあるコワモテタイプの教官である。


 当時、東研究室には全部で20人以上のメンバーが在籍しており、みな特定の動物についての生態学的研究を行っていた。


 対象とする動物は、アリやハチなどの社会性昆虫、スズメやタカなどの鳥類、テンやクマ、そしてテングザルなどのほ乳類と多岐にわたっていた。


 僕がクマムシを研究対象に選んだことで、東研究室のモットーは「クマムシからクマまで」となった。多様性に富む研究対象動物を扱う、東研究室の特徴をよく表すモットーだ......


<本編に続く>


Vol. 30【クマムシトリビア:乾燥クマムシは何年生きられるか?その2】


読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答します。


◆ 質問:


 クマムシは乾燥した仮死状態で何年くらい生きられるんですか?永久に生きられるんでしょうか?(その2)


◇ 回答:


  今回は、乾眠状態のクマムシが果たして半永久的に生き続けられるかは可能かどうかを論じていきたいと思います。


 結論から言うと、これは条件次第では可能です。


 では、なぜ可能と言えるのか。この理由を説明するためにはまず、乾眠状態のクマムシが時間経過とともに生存率が下がっていく理由を考える必要があります......


<本編に続く>


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