クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

アカデミアを卒業します

この4月をもって、パリ第5大学および仏医学衛生研究所との契約が終了します。これにてアカデミアでのキャリアを卒業し、晴れてフリーの研究者になります。ここでのフリーというのは精神的なフリーという意味で、厳密には法人に所属する民間の研究者という立場になります。


クマムシの研究を始めたのが学部4年生。そこから紆余曲折はあったものの、13年間にわたってアカデミアの世界で生きてきました。日本、アメリカ、フランスと転々としてきましたが、数えきれないほどの素晴らしい研究者の方々にお世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。


大きな組織やシステムにコントロールされることは自分の性に合わないと、つくづく感じてきました。アカデミアでポジションを得るにしても公募というシステムに依存しなければならなかったり、仮にポジションを得たとしても大学や研究所の中で様々な縛りがあることを考えると、自分の進む道はアカデミアではない。論文も義務や義理で書きたくない。なんかもっと、フリーにやりたい。そう思ったのです。


アカデミアから離れることを決めたのはもうだいぶ前で、自立のためにサイドワークとしてクマムシさんメルマガなどのプロジェクトを進めてきました。今後しばらくはこれらのプロジェクトに注力しつつ、次の研究に着手できるよう準備を進めていく予定です。


これから先、研究活動をはじめその他の文化活動なども通して、少しでも人類の役に立てるよう精進したいと思います。公費で高等教育を受けてきた人間として、世の中に新しい価値を提供することが責務のひとつであると考えています。


最近、アメリカではアカデミアの外にいるバイオハッカーの活動も活発になっています。科学研究に対して先進的なアイディアをもつ彼らとも、そのうち何か一緒にやれればと思案しています。勢いがあって楽しそうに生きている人達と話すのは、それだけで面白いですから。



バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!


アカデミアのキャリアを歩むのはもう終わりにしますが、これからもコラボなどの形で大学や研究所の方々にはお世話になると思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。


最後に、いつもこのブログやメルマガ、その他のSNSをフォローしていただいている方々。いつも応援有り難うございます。これからも、クマムシともどもよろしくお願いします。


それでは、クマムシ研究所の設立に向けて、一歩を踏み出したいと思います。


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