森口氏がiPS細胞由来の心筋細胞を心筋症患者に移植したことを論文で発表
昨年の2012年、iPS細胞関連で話題となった森口尚史氏が論文を発表していた。論文内容は「iPS細胞由来の心筋細胞を心筋症患者に移植した」というもの。これは、昨年に森口氏が新聞社に語っていたのと同じ内容だ。
昨年の2012年、森口氏は読売新聞を通じて虚血性心筋症患者6人に患者本人由来のiPS細胞から作った心筋細胞を移植、治療したと発表した。その後の会見で、実は患者の人数は6人ではなく1人だったと、発表内容に一部虚偽があったことを認めていた。今回の論文は、その1人に対して行った研究の報告と思われる。*1
このBMJ Case Reportsというジャーナル、インパクトファクターはついていないものの、ピア・レビューで論文の掲載可否を決定する雑誌のようだ。*2
森口氏の所属はReprogramming Inc.となっている。どうやらバイオベンチャー企業のようだ。また、共著者のJoren Madson氏の所属も同じだ。ただしこちらは所在地がアメリカのボストンになっている。森口氏の所在地は千葉だ。
Joren Madson氏の名前を検索しても、森口氏との共著論文以外の情報は出てこない。そもそも、Madsonという名前はあまり見当たらない。ちなみに、Joren Mads"e"n氏はマサチューセッツ総合病院所属の心臓移植で著名な方だ。森口氏も自身がマサチューセッツ総合病院で客員研究員をしていたと述べている。
森口氏は同じジャーナルに別の論文も発表している。こちらはヒトiPS細胞を用いた肝細胞がんの治療に関するもののようだ。要旨を読む限りでは、臨床実験なのか、生体外実験なのかは不明だ (追記: コメントでこの研究は臨床研究というご指摘をいただきました。)。
最近、芸能活動を始めている森口氏だが、本件でまた大きな注目を集めそうだ。