むしマガハイライト【Vol. 46, 47, 48】
パリの街は夏が来ないまま、すでに秋の気配を漂わせ始めています。
☆━━━━━━━━━━━━━━それにしても
ポルトガルで食べた海鮮リゾットが恋しいです。
☆━━━━━森山和道さん
むしマガで連載中の森山和道さんへのインタビューは今回が最終回です。が、森山さんのメルマガ「サイエンスメール」では現在、森山さんが僕にインタビューする形で対談が連載中です。こちらの対談ではクマムシ研究に関する内容がメインとなっています。こちらもぜひあわせて読んでいただけますと幸いです。
☆サイエンスメール
http://www.mag2.com/m/P0003148.html
それでは、森山さんのインタビュー最終回をお届けします。
Vol. 46【森山和道インタビューその9「メルマガを発信し続けるには」】
森→森山
堀→堀川
堀: 大学の先生と何が違うんですか。
森: やっぱり研究所の先生は、大学の先生に比べて時間があるってことじゃないですかね。大学の先生は講義などで時間が縛られているんで。まあ、それはしょうがないって思いますね。先生が時間を割きたい、答えたいと思ってくれていても無理ですよね。
堀: なるほど。
森: あとは、メルマガそのものをやめちゃおうって手もあったんですけど、やめちゃったらもう二度と復活できないだろうと思ったのと、無料で出し続けているとどこかで自分の心が折れると最初から分かっていたので。
多分、メルマガ出している人はみんなそうだと思うんですけど、毎週毎週メルマガを出すっていうのは結構大変ですよね。出したことない人が思っている以上に。一回一回の作業量は大したことなくても、毎週出し続けるのは大変。なので、一度心が折れると出さなくなりますよね。
堀: いや、実は......
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Vol. 47【クマムシ研究日誌: 消えた学会発表資料】
アメリカで開催される国際クマムシシンポジウムが、自分にとって初めての学会発表であった。それまでは国内でも学会発表の経験はなかったのだ。
海外に一人で行くのも初めてだったので、ちょっとワクワクしながら一人札幌から成田に移動した。
しかし、ここで思わぬ事態が起こる。
成田空港で買い物をした後、自分の荷物が一つ無くなっていることに気付いたのだ。それは、小さなプラスチックのスーツケースだ。
そして、そのスーツケースには、クマムシシンポジウムで発表するためのポスター資料が入っていた。つまり、最も大事なモノが、無くなっていた。
こ、これは大変。しかし、あたりを探しまわるも全く見つからない。自分の移動した範囲はたかが知れたものだ。この辺に、必ずあるはずなんだ。しかし、見つからない......
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Vol. 48【クマムシトリビア:クマムシの生と死をどう判断するのか】
◆ 質問:
森山さんのサイエンスメールも購読しているんですが、今やってる堀川さんのインタビュウのなかで「復活しないクマムシ」ドゥジャルダンヤマクマムシの話をされてましたね。
☆森山和道:サイエンスメール
http://www.mag2.com/m/P0003148.html
それでちょっと思い出したんですが、前にクマムシを観察したときには、心臓のような臓器は観察できませんでした。多分、小さいので循環器系はほとんど要らないんだと思いますが、だとすると乾眠後に死んだかどうかの判定は「動くかどうか」なのでしょうか。まあ「死とは何か」という面倒な問題も横たわっていますけど、計測するということを考えると、「動くかどうか」というのは面倒なように思うんですが、どうなんでしょうか。
◇ 回答:
とても本質を突いた、そして難しい問題ですね。おっしゃるように、「生とは何か」そして「死とは何か」に関わる問題です。これは「生」と「死」をどのレベルで定義するかにかかっいきます。個体なのか、組織なのか、細胞でのレベルなのか。はたまた分子のレベルなのか。
慣習的には、クマムシが生きているかどうかは個体が動くかどうかで判断します。具体的には、あるストレスを乾眠クマムシに与えた後に水をかけてから24時間以内に動いた個体を「生きた」、動かなかった個体を「死んだ」ものとして判断します。
ここで同じ「動いた」でも、例えば元気よく8本の肢で歩行した場合、弱々しく肢を伸ばしたり縮めたりするだけの場合、肢の動きはまったく見られず体を少しねじらせる程度、などなど色々なレベルがあります。歩行行動が見られない場合、ストレスによるダメージが個体にあることは明らかでしょう。
ただ......
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