地上最強の動物クマムシと人類
みなさん、こんにちは。ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか。
今回、ある雑誌に寄稿予定のエッセイをむしマガのゴールデンウィーク特別号として、お届けします。
ちょっと新しい扉を開いた感じの文章に仕上がっているので、楽しんでいただければ幸いです。
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「地上最強の動物クマムシと人類」
私がクマムシの研究を始めて、今年で11年目になる。クマムシの研究に着手した当時に比べ、最近ではこの生きものについて知る人もにわかに多くなってきた。
絶対零度近くの超低温、人の致死量の1000倍の線量の放射線、水深7500メートル地点の水圧の100倍に相当する圧力、そして宇宙空間の超真空。地球上の自然界ではまず遭遇しえないこれらの極限的ストレスをうけても、生存できるクマムシ。
その無駄にハイスペックなクマムシの特殊能力が、中二病を患う人々の心をわしづかみにして離さない。かくいう私も、かれらの持つその鋭利な爪で、心臓をえぐりとられた一人である。
とりわけ日本では、外国に比べてクマムシファンが圧倒的に多い。なぜか。それは、クマムシが強いだけでなく、かわいいからである。「強いものはかわいくあるべきだ」という日本人の美徳を考慮すれば、クマムシは愛されるべくして愛されているのだ。
<本編に続く>
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