海にすむ吸血クワガタ
ウミクワガタという生き物がいます。クマムシ友達(クマ友)の東大の川島さんから教えていただきました。海に棲むクワガタ、というのは嘘ですが、本当にクワガタにそっくりです。ちなみに、海に棲む昆虫はほとんどいません。
写真の左がオスの成体、右上がメスの成体、右下がプラニザ幼生です。オスの成体はクワガタの頭にエビの体がくっついたような形態をしていますね。成体でも体長が数ミリメートルほどにしかならないそうです。ウミクワガタのオスは発達した大あごを持ち、クワガタの中でもとりわけヒラタクワガタにそっくりです。分類的にはダンゴムシと同じワラジムシ目に属します。
クワガタとウミクワガタの似通った大あごは収斂進化*1の結果だと思われますが、ウミクワガタの大あごの役割はよくわかっていないようです。やっぱりオス同士で戦ったりするために使われるのでしょうか。ウミクワガタの研究者は少なさそうなので、生態についても未知なことが多そうです。謎の多いへんないきものです。
Youtubeでウミクワガタのきれいな動画を見つけたので、貼っておきます。
本家のクワガタと異なる特徴として、幼生時には魚に寄生して血を吸って生活することが挙げられます。バンパイアクワガタと呼んでも良いかもしれません。
*1:同じような生態的ポジションにいる遠い系統関係にある生物種同士が似通った形質を持つようなること。例:サメとイルカの形態