クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

2015-01-01から1年間の記事一覧

【書評】『持たない幸福論』現代の教祖の有り難い説法

個人的に大好きなニート界のカリスマことphaさんの新著が出た。 持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない 私はだいぶ前からphaさんが好きで、彼のブログもたびたびチェックしているのですが、今回の本はphaさんの哲学の集大成という…

クマムシ日記はじめました

ちょっと前から慶應大クマムシ研究グループでクマムシ日記をつけはじめています。 クマムシ日記 私だけではなく、荒川さん、クマムシ王子、飼育係Aさんたちが、クマムシの生態やその他の豆知識をわかりやすく紹介しています。基本的に毎週更新されるので、よ…

千葉県立中央博物館でクマムシ講演&観察会

6月14日(日)に千葉県立中央博物館でクマムシ講演&観察会を開催します。千葉県立中央博物館13:00 から14:15までがクマムシ講義、14:30から16:00までがクマムシ観察会となっています。場所は千葉県立中央博物館の講堂/1階ホール。 当日申込先着150名(小学…

ベジタリアン・チーズに見る、バイオテクノロジーが道徳心を刺激する時代の幕開け。

Photos courtesy of Biocurious バイオテクノロジーが医療や食料生産に応用されるようになって久しい。遺伝子操作により、ヒトのホルモンを効率よく分泌する大腸菌が作られ、害虫に負けない農作物などが作られてきた。ただ、「人工」や「遺伝子組換」という…

よいインターネット

『クマムシ研究日誌』がようやく発売開始になりました。全国の大型書店の理工書コーナーに並んでいます。上の写真はジュンク堂書店藤沢店のもよう。『クマムシ博士の「最強生物」学講座』と一緒に並べてもらって嬉しい。 さっそく『クマムシ研究日誌』が書評…

ネイキッドロフトでトークイベント

6月3日(水)に久しぶりにトークイベントに登壇します。場所は、新大久保近くのネイキッドロフト。お笑い芸人のザ・ギースの尾関高文さんと、同じくお笑い芸人のキングオブコメディの高橋健一さんが主宰するイベントにゲストとして参加します。チケットは前…

『クマムシ研究日誌』発売開始

フィールドの生物学シリーズ『クマムシ研究日誌』が製本されて送られてきました。四苦八苦しながら書いたものがこうして本というフォーマットとなって届くと、やはり嬉しいものですね。 本書が書店に並ぶのは早くて今週末、遅くても来週の頭になる見込みです…

【書評】『テングザル―河と生きるサル』ボルネオの思い出

テングザル―河と生きるサル:松田 一希著 (フィールドの生物学7) 著者の松田一希氏は僕とは北海道大学大学院時代の同じ研究室の出身で、しかも同級生。松田氏は現在、京都大学で特定助教をしている。拙著『クマムシ研究日誌』は、彼が僕のことを東海大学出…

クマムシさんのLINEスタンプをつくってみた

今月のはじめに、クマムシさんのLINEスタンプがリリースされました。イラストはイラストレーターの阪本かもさんに描いていただきました。 クマムシさんスタンプ:LINEストア すでに多くの方に使っていただき、毎日1000個のクマムシさんスタンプが送信されて…

クマムシ本『クマムシ研究日誌』を出版します。

5月下旬にクマムシ本が出ます。タイトルは『クマムシ研究日誌』。メルマガ「むしマガ」で連載していた同タイトルの原稿をベースにまとめたものです。すでにAmazonで予約受付を開始しています。 クマムシ研究日誌: 地上最強生物に恋して 前作のクマムシ博士の…

【書評】『毒きのこ-世にもかわいい危険な生きもの』著者らの意図にまんまとはまる

毒きのこ-世にもかわいい危険な生きもの 菌類研究者の白水貴博士(美声)監修の本書は、毒きのこのみに焦点を当てて紹介している。きれいなきのこの写真に、多すぎず少なすぎない説明が付記されており、図鑑として眺めていても楽しい。 きのこは担子菌類のも…

4/29にニコニコ生放送でクマムシ観察会を開催します

4月29日(水)の18:00から、ニコニコのクマムシチャンネルでクマムシ観察生放送を行ないます。クマムシ博士の解説つき。 クマムシ観察会生放送: クマムシチャンネル どんなクマムシが出てくるのか、楽しみ。 さらに同日19:30からは乾眠状態のクマムシに水を…

ABC朝日放送「ワンダーアース」にクマムシが出ます。

2015年4月29日(水)の14:00から4時間放送予定のABC朝日放送「ワンダーアース 地球のチカラ生き物のチカラ」にクマムシが出ます。 ワンダーアース 地球のチカラ生き物のチカラ: ABC朝日放送 私も芸人のミサイルマンと一緒にクマムシを観察したり、ストレス耐…

共同研究者に「ギブ・ミー・マネー」と言う時代

先週はフランス人の知人一家がこちらに遊びにきました。この知人は、フランスで博士号を取得し、今はアメリカのワシントン大学でテニュアトラック助教をしている知人のアンソニー。そしてアンソニーの妻(台湾人)、子ども、妻のお母さん、そしてアンソニー…

【書評】『捏造の科学者 STAP細胞事件』科学界に横たわる問題を提起し続ける装置

捏造の科学者 STAP細胞事件:須田桃子 本書は毎日新聞記者の須田桃子氏によるSTAP細胞騒動の記録である。2015年の大宅壮一ノンフィクション賞にも選ばれている。 物語は、須田氏が笹井芳樹氏からのメールを受け取るところから始まる。須田桃子氏によるSTAP細…

線虫を食べるクマムシ

youtu.be 先日、線虫を丸呑みしているオニクマムシを発見した。オニクマムシは肉食で、通常はヒルガタワムシなどを飲み込むようにして食べる。だが、線虫を食べることはほとんどない。線虫は飲み込むには大きすぎるので、通常は食べられないからだ。線虫の体…

クマムシが毎日新聞で取り上げられました

クマムシが2015年4月9日付けの朝刊で取り上げられました。 クマムシ:地球最強の多細胞生物 その生態と耐性の秘密 最近は芸人のクマムシがブレイクしてクマムシの認知度が上がったせいか、本物のクマムシについて問い合わせをいただく機会が増えた気がします。…

ドミトリーともきんす:科学の世界へのなめらかないざない

ドミトリーともきんす 本書は『棒がいっぽん』などで知られる漫画家・高野文子さんの作品。寮母のとも子さんと彼女の娘のきん子ちゃんが住む「ドミトリーともきんす」に、研究者を志す四人の学生が下宿している。これら四人の学生の名は、朝永振一郎、湯川秀…

『納豆菌の真実』書籍化のお知らせ

私はこれまで、恐ろしい納豆菌の陰謀を暴露し続けてきた。 みんな納豆菌を甘く見ない方がいい: むしブロ+もう一度言う。みんな納豆菌を甘く見ない方がいい。納豆菌の無差別テロ攻撃により人類滅亡までのカウントダウンがはじまった: むしブロ+ 納豆菌は学…

【書評】『「ニセ医学」に騙されないために』騙されない人も一読の価値あり

今週はNATROM著『ニセ医学に騙されないために』を読みました。本書の著者はネット上で言わずと知れた内科医ブロガー集団のNATROM。 「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る! 科学的根拠が乏しいにもかかわらず、治療法…

地球外生命体のアジトに潜入

納豆菌は、日本を侵略中の地球外生命体である。宇宙から飛来したかれらは、知らず知らずのうちに我々の体内に潜入し、体を乗っ取っている。僕はこれまで、幾度となくこの納豆菌の恐ろしい正体について、告発してきた。 みんな納豆菌を甘く見ない方がいいもう…

NHKラジオ基礎英語2に出演します

2015年4月と5月のNHKラジオ基礎英語2にゲストとして出演することになりました。基礎英語2のテキストにもクマムシ博士のインタビューが掲載されています。4月の放送は4月17日(金)、放送時間は、6時15分〜、19時〜、21時15分〜の3回です。 NHKラジオ基礎英語…

学校と学び

むしマガVol.281でオンライン・サイバー高校のことについて書きました。自分が中学生や高校生の頃にこんなところがあったらよかった。なぜそう思ったかというと、自分の通っていた中学や高校が好きでなかったからなんですね。 私が通っていたのは、T学園とい…

思想雑誌『kotoba』の南方熊楠特集号に寄稿しました

今月発売された思想雑誌『kotoba』の南方熊楠特集号に寄稿しました。 kotoba: 南方熊楠 「知の巨人」の全貌 戦前に世界を股にかけて活躍した南方熊楠は、在野の研究者でありながら幅広い学問分野において数多くの業績を残してきました。もし南方が現代に生き…

テクノロジー・リテラシーを意識しよう

私たちは、テクノロジーの発展により大きな恩恵を受けてきた。電気、自動車、医療、インターネット。これらのテクノロジーが存在しない世界など、とても想像できないだろう。私たちは自分の生活が少しでも便利なものを自然と選択し、その継続的な使用を無意…

クマムシの餌の恩人との対面

日経ヘルス2015年3月号にインタビュー記事が出ています。タイトルは「クマムシ研究を支えるクロレラ」。 日経ヘルス 2015年 03月号 [雑誌] この記事はヨコヅナクマムシが食べる生クロレラV12をつくっているクロレラ工業株式会社の広告記事。私が飼育系を確立…