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クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

知的労働者が書籍を出版する方法


おかげさまで拙著「クマムシ博士の「最強生物」学講座」が好評につき、早くも増刷が決定。ご購入いただいた皆さまに感謝。











クマムシ博士の「最強生物」学講座ー私が愛した生きものたちー


日本滞在中に都内の書店を散策していたが、ほとんどの大型書店で本著を平積みにしていただいていた。



写真は丸善お茶の水店


また、書評サイトHONZでは土屋敦さんに熱いレビューを書いていただいた。


黒い情念がゴッゴッゴッ! 『クマムシ博士の「最強生物」学』


著者の私自身もワクワクしてしまうような、今までに見たことのないレビュー。どうも有り難うございます。


さて、今回は本書が書籍化に至った経緯について少し書いておく。私のケースは、特に書籍出版を目標としている知的労働者にとって参考になると思う。


そもそも少し前までは、一般科学書を出版するのは教授等の肩書きのある研究者か、著名な科学ジャーナリストに限られてきた。権威の無い人間が書籍を出版するのは難しかったのだ。


だがご存知の通り、ネット、とりわけブログやTwitter、そしてはてなブックマーク等のネットツールの登場により、優れた文章の書き手が容易に発見される時代が到来した。ブログに書いた文章がSNS上で言及され、その数が評価の指標になるからだ。そして出版社の編集者は、この指標をもとに本の書き手を選定している。書籍出版には、権威ではなく、読み手を惹き付ける内容、中身が大事になってきたのだ。


私のブログは科学、とりわけ生物学を対象にしている。大事なことは、非専門家の読者にも理解できるように記事を書くことだ。本ブログを書いている研究者・専門家は多くいるが、この意識を持ちながら情報を発信している人間は少ない。専門知識があり、なおかつ分かりやすい文章を書ける人間が、書籍の書き手として重宝されるのだ。高度な専門知識をいかにやさしく説けるか。この落差が大きいほど、書物としての価値も高くなる。野茂の落差のあるフォークに多くの打者がついバットを出してしまうのと同じ原理だ。


私の場合、記事を50〜60ほど書いた2011年の末頃から書籍出版の依頼が来始めた。その中で、新潮社からはブログと有料メルマガをベースにしたものを出版したいということだったので、最初の書籍となった。今後、さらにいくつかの書籍を他出版社から出版予定である(出版社のみなさまへ:現在は新規の出版依頼は受付けていません)。


ということで、書籍出版を目標としている人は、以下のステップを踏んでいくとよいだろう。


1. ブログに自分の専門分野周辺の話題を噛み砕いて書く

2. Twitterやはてなブックマークなどで読者の反応をチェック

3. 足りなかったと思える点を次回の記事に反映させる

4. 2と3を繰り返す


このステップを忠実に遂行していれば、いずれ出版社から声がかかってくるだろう。


書籍を出すことで優雅な印税生活を送るのは難しいが、書籍化をきっかけに自分の活動の枠を広げることができ、自由度が増す。本を出すことで得られるこのメリットは、金銭面の収入以上に大きいと感じている。ということで、書籍出版に興味がある人は、とりあえずブログを開設して何か書いてみてはいかがだろうか。


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