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クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

むしマガハイライト【Vol. 67, 68, 69】

むしマガ


☆━━━━おわび

 今号のむしコラムも夜遅くなってしまいました。先週と同様、やはり内容的に食事前にはお届けするのが不適切との判断からです。この調子だと、毎週夜のお届けになってしまうかもしれませんが...。


 例によって変な夢を見ても、当方では一切の責任は負いかねます。


 ということで、どうぞよろしくお願いいたします。


Vol. 67【むしコラム「使用済み靴下フェチの吸血グモ」】


 世の中には色んなフェチがいます。靴下匂いフェチもそのひとつ。あの匂いがたまらない、という人はかなりの人数いることが予想されます。


 靴下匂いフェチの人は、朝から晩まで働いた後にビールを一杯...ではなく、汗にまみれた格別の靴下の、その蒸せかえるような匂いを嗅ぐことで一日の疲れを癒し、明日働くための活力を沸き立たせるのです。


 そんな使用済み靴下フェチは人間だけの性癖ではありません。アフリカに棲むある吸血グモも、そんな性癖をもっています。


 そのクモこそ、ケニアに生息する吸血性ハエトリグモの一種、Evarcha culicivoraです。


☆【画像】吸血グモのEvarcha culicivora
http://salticidae.org/salticid/diagnost/evarcha/culi-mph.jpg


 このクモは人の血を吸います。といっても、直接私たちの体から血を吸うのではなく、人の血を吸ったばかりの蚊から間接的に血液を摂取するのです。餌となる蚊はマラリアを媒介するハマダラカなので、人にとっては有益なクモなんですね。ちなみにこのクモにとって人の血は栄養分になるばかりでなく、異性を惹き付けるための媚薬にもなるんだとか。


 このクモは人が集まる建物の周りをよくウロウロしているので、人の匂いを感知しているのではないかと考えられていました。そこで研究者はこのことを検証するために、人が履いた靴下の匂いにクモが惹き付けられるかを実験したのです......


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Vol. 68【クマムシ研究日誌「ボゴールの奇跡」】


 熱帯のクマムシを求め、はるばるインドネシアにやってきた。行き先はボゴールというまあまあ規模の大きな町である。ここの植物園にあるゲストハウスで、別のテーマで研究調査に来ていた東先生と先輩と合流した。


 初めて東南アジアの国に来た僕は、現地のストリートマーケットの様子を見て、日本とあまりの環境の違いに驚き、戸惑っていた。


☆ボゴールのストリートマーケット
http://bit.ly/PKk83A


 どこまで歩いても、鼻をつく生ゴミが腐ったような匂い。土埃。物乞いをする人々の視線。しつこく追跡してくる客引き。何もかもが新鮮で強烈だった。


 そして、このストリートマーケットで悲劇が起きた。到着した次の日に財布を盗まれたのだ。財布には持参した現金のほとんど、そしてクレジットカードや学生証が含まれていた。慣れない環境、そして目に映るもの全てが新しくて、興奮して浮き足立っていたせいだろう。注意散漫で、隙ができてしまったのだ......


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Vol. 69【クマムシトリビアクマムシが見えなくて困っています→コケの量に問題があります」】


読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答します。


◆ 質問:


 クマムシの抽出方法の質問です。わたしは今まで主にコケを簡易ベールマン装置にかけて抽出していたのですが、論文を読むとベールマン装置などを使わずに、コケなどを「しばらく水に浸して」と書いてあることが多いです。コケを水に浸してその中からかき分けてクマムシをつかまえる方が一般的に好まれる方法になりますか? 


 水に浸しただけだと、クマムシがあまり出てこないように思うのは私のやり方が下手なのでしょうか?なにかコツとかってありますか?コケだったら、一回にどのくらいの量のものを水に浸していますか?(わたしが一回に使っている量が多すぎるのかなぁ。と思っています) あと、基部に付着している土(ときに大量)も一緒に浸していますか?


◇ 回答:


 コケからクマムシを取り出す方法についての質問ですね。むしマガvol.35も紹介したように、ベールマン装置は多量のコケなどの試料から一気にクマムシを抽出することができる装置です。


☆ベールマン装置
http://bit.ly/GXoVdj
 

 このベールマン装置、多数のクマムシを一回で抽出することができるため、一定量のコケや土などに棲むクマムシの全数調査を解析をする必要のある群集生態学の研究などでよく用いられます。クマムシの群集生態学で著名な伊藤雅道さんの研究室には、数多くのベールマン装置が並んでいました。このベールマン装置を使うと、時折、数千匹ものクマムシが一度に出てくるという「クマムシ天国」の光景を目にすることができます。


 しかし、クマムシ研究者にとって、これは「クマムシ地獄」となります......


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