クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

新大学生に伝えたい4つのこと

4月から大学生になったみなさまへ: NAVERまとめ


このようなまとめに触発されて、この4月から新たに大学生となったみなさまに「こうしたらいいかもよ?」というエントリを私も書いてみる事にしました。


私なんぞが偉そうにこんな記事を書くのもどうかとも思ったのですが、「もし今自分が大学生だったらこうしたいな〜」という内容ですので、そんな感じで読み流してくださいませ。


1. 海外を旅してみる


海外を旅する事で、多様な価値観を身に付けることができます。


日本という国に20年くらい住んでいるあなたの常識は、日本での常識とイコールになっています。しかし、ひとつの国の常識というのが他の国の常識と同じであるとは限りません。とりわけ、日本という国は非常に特殊な国であり、海外の常識からは大きくかけ離れているのが実情です。


外国に出かけて少しでも現地に溶け込んでみると、今まで自分が信じて当たり前だと思っていた事が絶対的なものでない事に気付きます。こうして、違う角度から世の中や物事を見る目を養う事ができます。


ひとつ、例を挙げます。


私は今フランスに住んでいますが、今の職場に初めて下見で訪れた時、女性の同僚が私をパリの街に案内してくれました。


案内が終わり別れ際に「それじゃ、また」と言った後で彼女は彼女の頬を私の頬に左右交互にくっつけて「チュッ、チュッ」とキスをしてきました。実際に唇を頬につけるわけではないのですが、初対面の異性からこのように挨拶されたのですね。


で、私はほとんどノーリアクションでぼーっとしていたのですが、彼女からは怪訝な顔で「私にキスしたくないの??」と吐き捨てるように言われました。


こちらでは男女が挨拶をする時に頬と頬を左右交互にくっつけて、「チュッ、チュッ」と口で音を出して挨拶をします。別に恋人どうしでなくても、知り合いならこうするんです。つまり、私が彼女のこのフレンチ・グリーティングに応じなかったのは、非常に失礼なことだったわけなのです。


日本でもし私が初対面の女性にこの挨拶のやり方をしたら、セクハラで告発されてしまうでしょう。しかし、逆にフランスでは私が彼女にキスしなかった事で、セクハラみたいな事態になってしまったののです。


これはほんの一例で、他にも自分が思っていた常識が通用しない場面にたくさん出くわしました。


ということで、国はどこでも構わないので、できれば2ヶ月以上旅をしてください。ただし、日本人どうしでつるむのではなく、現地の人達と積極的に仲良くなるように努力しましょう。


こうして身につけた様々な価値観は、心の中の多数の目となり、あなたのその後の人生を豊かなものにしてくれるでしょう。


2. 自分の憧れの人に近づいてみる


自分が憧れていたり尊敬している人にアプローチすることで、わくわくしながら成長する事ができます。


大学生はサークル活動などを通し、学生どうしで付き合う機会が多くなります。それも大事ですし、とても楽しい思い出作りができますが、同じ学生どうしでずっと行動していてもなかなか新しい世界は拓けてきません。


それよりも、この人は凄い!と自分が思えるような人、例えば好きなミュージシャンでも経営者でも誰でもよいので、そのような人達に自分の存在を知ってもらえるように行動をしましょう。こうすることで新しい世界を開拓し、成長する事ができます。


これは、下の「3. 何かひとつのことを極めてみる」と共通する部分もありますが、このような目標を持って頑張る事でその後の活動の土台を築く事が可能になります。


一昔前は憧れの人に近づく事は非常に難しい事でしたが、今ではインターネットという効果的なツールがあります。憧れのミュージシャンに近づきたければ、自分のクールな楽曲やライブ映像をネット上に投稿し、彼らの目を惹く事ができるかもしれません。尊敬する経営者に、Twitterなどで自分が始めたビジネスを紹介する事もできます。


私はもう学生ではないのですが、一昨年前からこうしてブログを書いたりTwitterをしてきたことで、それまで雲の上のような存在だった人々に実際に会ったり一緒に活動をする事ができるようになりました。


みなさんも臆せずに、とりあえずアクションをおこしてみましょう。


3. ひとつのことを極めてみる


ひとつの事を極めるまで熱中するとで、あなたの人生の基盤となる地力を養う事ができます。


みなさんご存知の通り、大学生のときほど時間があり余って自由に使える時期はありません。このパラダイス・ピリオドを利用して、何でも良いのでひとつのことを熱中して極めてみましょう。


極める対象は何でもかまいません。英語でも、ナンパでも、一輪車でも何でもオッケーです。でも、やるからには徹底して打ち込んでください。ゲームをやるなら秋葉原のゲームセンターで1番になることを目指してください。パチンコをするならプロを目指してください。


そうやってひとつの事に集中して打ち込むという経験をすると、その後何か他の事をやるときにも集中力を発揮しやすくなりますし、諦めずに頑張りぬく粘り強さも身に付きます。


4. 変態になってみる


これからは普通でいるということに、大きなリスクが伴います。


グローバリゼーションが急速に進むこの世の中で、いわゆるフツーで何でもそこそここなせる人材というのは、人件費の安いよその国の人達でも代わりがきくので、どんどん価値がなくなっていきます。平たく言えば、就職できなくなったり、非常に安い賃金で働かざるをえなくなったります。ですので、普通のまじめな人でいるという事は、ものすごく大きなリスクになるのです。


では、どうしたらいいのか?もうお分かりですね。そうです、普通でまじめの逆、つまり変人になれば良いのです。例えば、私の友人のバッタ博士みたいな変わった人間を目指してください。


「バッタなんか追いかけ回してばっかりで、食っていけるのかよ?!」


そんな声が聞こえてきそうです。でも心配しないでください。これからの世の中は、直接お金を稼ぐ事をしなくても、ユニークな行動を通して人々から大きな評価を集める事ができれば、それで生きていく事ができるしくみになっていきます。


例えば、自分が応援したい人を携帯キャリア上でクリックして小銭を投げたりする事ができるようになるかもしれないのです。


なので、人と違う事を恐れず、むしろ進んで変態になるように努力してください。友人や教員や親から止められても、無視してください。


ちなみにこのアイディアは、評価経済社会という本からインスパイアされて得たものです。この本は私が2011年に読んだ中で、ダントツに感銘を受けた本です。私が大学生の時に読みたかった。


評価経済社会:岡田 斗司夫 著

評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている



それでは、みなさまが楽しくも有意義な学生生活を送られる事をお祈りしています。


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