クマムシ博士のむしブロ

クマムシ博士が綴るドライな日記

アメリカ自然史博物館でクマムシなどの極限生物特集が開催中

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American Museum of Natural Historyのサイトより


ちょっと告知が遅くなりましたが、アメリカ・ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)にてクマムシをはじめとした極限生物の特別展示が行なわれています。私も動画素材の提供や監修に少し協力しました。ただ、この特別展示では本物のクマムシは展示されていません。


以下が本特別展時の紹介動画。私が撮影したヨコヅナクマムシの動画も使われています。



現地に行ってきた方々からもリポートをいただきました。クマムシがかなりフィーチャーされていて、なかなかの人気のようです。



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写真提供:Mia Niwaさん


この特別展示は2016年1月3日まで開催しているようです。近くにお住まいの方は、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


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クマムシの生体展示が鳥羽水族館で始まります

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三重県の鳥羽水族館にて、ヨコヅナクマムシの生体展示が8月2日より始まります。飼育しているヨコヅナクマムシを、顕微鏡でのぞいて観察することができます。


ヨコヅナクマムシを展示します:鳥羽水族館飼育日記


日本科学未来館では、以前から乾眠状態のヨコヅナクマムシを展示していました。


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日本科学未来館での乾眠クマムシ展示


ただ、生きた状態のクマムシを水族館や博物館で展示していた例は、ありませんでした。私の知るかぎり、世界でもこのような試みがなされた例はないはず。おそらく、活動しているクマムシの展示をするのは、今回の鳥羽水族館が世界初となるでしょう。それだけ、クマムシの安定した飼育や展示をするのは、障壁が高いものだったわけです。(追記:この7月から、2ヵ月間限定で高知大学の松井透さんが藁工ミュージアムにて生きたクマムシを展示しているとのことです。よって、今回の鳥羽水族館での展示はほぼ同時ですが、世界初というわけではありません。藁工ミュージアムでは毎日コケからクマムシを取り出して展示するスタイルなのに対し、鳥羽水族館では飼育したクマムシを展示したスタイルという違いがあります。飼育して展示する、という意味では世界初かもしれません。)


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今回のクマムシ展示は、鳥羽水族館飼育員の森滝丈也さんの多大な力により実現しました。もともとは、今年の3月に、私が森滝さんにお会いして、クマムシ展示についてお勧めしたことがきっかけでした。森滝さんといえば、ダイオウグソクムシの飼育員さんとしても名高い方です。もちろん、他にも多くの生物を飼育されています。


そんな多忙な森滝さんですが、この短期間でヨコヅナクマムシの飼育と展示を実現されました。実のところ、クマムシの飼育は研究者でもなかなかうまく行かないものなのです。やはり、飼育のプロというのは腕も凄いですが、情熱やプライドもさすがのものがあります。


いずれにしても、これを機に本物のクマムシを目にする人が増えてくれればとても嬉しいです。もし他の博物館や水族館の関係者でクマムシ展示に興味をもたれた方がいましたら、ぜひご協力させていただきますのでこちらまでご連絡ください。


この夏、ぜひ鳥羽水族館でクマムシに会いに行ってみてください。


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下北沢でクマムシ講演会

告知が遅くなりましたが、8月4日(火)の夜に下北沢のダーウィンルームという場所でクマムシ講演会を行ないます。講演会のタイトルはずばり、「クマムシ博士のクマムシ研究日誌」。


クマムシ講演会「クマムシ博士のクマムシ研究日誌」:ダーウィンルーム
 

クマムシ博士講演会「クマムシ博士のクマムシ研究日誌」

日時:8月4日(火)  18:30開場 19:00〜21:00
会場:下北沢・ダーウィンルーム 2F ラボ
料金:¥2,000 税込/高校生以下は半額 おいしいコーヒーか紅茶付き


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告知用チラシの清水久子さんのイラストがよいかんじ。ここダーウィンルームではフィールド系生物学者による講演がシリーズ化していて、クマムシ博士で8人目になるそうです。今回の講演会では拙著先日出版された『クマムシ研究日誌』に沿った内容でお話ししますが、本には書けなかったエピソードなども盛り込む予定です。いつもイベントにお越しいただいている常連さんでも楽しめる内容ですので、どうぞよろしくお願いします。